日本独自の美意識「いき」とは?九鬼周造『「いき」の構造』


こんにちはshunです!

今回はこちらの本を読了したので、紹介します。

『「いき」の構造』

『「いき」の構造』九鬼周造  岩波文庫

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『「いき」の構造』では、

・『「いき」の構造』

・『風流に関する一考察』

・『情緒の系図』

の3つの小説が収録されています。今回は表題になっている『「いき」の構造』について取り上げたいと思います。

それではあらすじの方紹介していきます。

『「いき」の構造』あらすじ/要約

「いき」という言葉を説明する時、あなたはどのように説明しますか?

「いき」という言葉のニュアンスは他の諸外国の言葉では表現することができません。意味的に近い単語はいくらでもありますが、どれも少しづつニュアンスが違ってしまい、全く同じニュアンスを持つ単語は存在しないそうなのです。

それでは、そんな「いき」という言葉にはどのようなニュアンスがあるのでしょうか?そしてこの「いき」という言葉を表現するためにはどうすればいいのでしょうか?

『「いき」の構造』は日本民族独自の美意識を表す言葉である「いき」がどのようなニュアンスを持ち、そしてどのように表現されるのかについて記載されています。

九鬼周造が考える「いき」の内包的構造とは?

筆者である九鬼周造によると、「いき」の内包的構造は、

・「媚態」(色っぽさ)・・・異性との関係を意識した艶めかしさや艶っぽさ、色気

・「意気地」(張り)・・・武士道の理想で美意識としてのやせ我慢

・「諦め」(垢抜け)・・・仏教の世界観で、運命や欲望に対する執着を離脱した無関心

の3つの要素で成り立っているそうです。

筆者によると、「媚態」とは、自己と異性との間に可能的関係を構築するような二元的な態度のことであるそうなのです。つまり簡単にいうと、「くっつきすぎず、異性と適度な距離感を保つこと」を指します。

その「媚態」に、武士道の理想とされる「意気地」と仏教における世界観である「諦め」を取り入れることで「いき」が完成するのです。

「武士道」と「仏教」が融合している点。そこに「いき」という言葉のニュアンスが他の言語では表すことができない理由があるのかもしれません。

縦縞と横縞どっちが「いき」?

先ほど取り上げた「いき」の内包的構造によると、「いき」には二元的態度が欠かせないということになります。

そういった意味で「平行線」は「いき」であると筆者である九鬼周造は考えているのです。平行線はどこまで延長してもずっと平行を保っていて、決して交わることがありません。そのような意味で、平行線は二元的態度を持っており、「いき」であると考えられているのです。

それでは、縦縞と横縞ではどちらの方がより「いき」なのでしょうか?九鬼周造によると、横縞よりも縦縞の方がより「いき」に見えるそうなのです。果たしてそれはなぜなのでしょうか?

縦縞の方が横縞よりも二元的態度が明瞭に現れており、軽巧精粋がより出ているからだと九鬼周造は述べています。

『「いき」の構造』に記載されている一例を挙げると、私たちの目は左右に位置付けられています。そのため、横の平行線よりも縦の平行線の方が、より平行に見えやすいのです。

「縞が縦であるか横であるか」その差で「いき」なのかそうではないのかが決まるのです。

『「いき」の構造』感想/まとめ

ある言葉の持つニュアンスを他人に理解してもらおうとするときに、普通の人は「言葉」でなんとか説明しようとします。しかし、言葉で説明されても、抽象的でいまいち理解できない時もあるはずです。

普通の人は言葉を言葉で説明しようとするのに対して、筆者の九鬼周造がとった言葉のニュアンスを直方体で表すという斬新なスタイルに衝撃を受けました。

確かに本書『「いき」の構造』を読んでいると、「いき」という言葉を普段使わず、ニュアンスもよく知らなかった私的には、言葉での説明よりも、図解の方がわかりやすく適切に感じました。

言葉のニュアンスを図解で示すという一般の人の常識に捉われない斬新なスタイル。いかに自分が言葉のニュアンスは言葉で表さなければならないと盲信していたかを本書『「いき」の構造』を読んで、実感させられました。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『「いき」の構造』

『「いき」の構造』九鬼周造  岩波文庫

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