日本人独自の精神構造!新渡戸稲造『武士道』あらすじを簡単に紹介

武士道

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

武士道

『武士道』新渡戸稲造 岩波文庫

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内村鑑三の『代表的日本人』、岡倉天心の『茶の本』と並び、三大日本人論の内の一冊として認知度の高い本書『武士道』。

新渡戸稲造といえば、「国連事務次長」というイメージが個人的には強いです。

それでは早速、新渡戸稲造の『武士道』についてあらすじや感想を紹介していきます。

『武士道』あらすじ/要約

新渡戸稲造という人物はまさにエリート中のエリートです。

新渡戸は裕福な家庭に生まれ、現在の東京大学で英語を学んだ後、ドイツへ留学をしています。

ドイツへ留学した際の、ベルギーの法学者との会話がきっかけで、本書『武士道』は誕生したと言われています。

「日本の学校は宗教養育を行なっていないのに、どのようにして道徳教育を育むことができるのか」

ベルギーの法学者に投げかけられた新渡戸稲造は、その答えとして武士道を見出します。

日本人特有の精神、武士道。

新渡戸稲造の考える武士道とは一体何なのか。

そして武士道の精神はどのように私たち日本人の精神を支えているのか。

本書『武士道』を通して、日本人の精神の根幹を成している武士道とは何か理解することができます。

新渡戸稲造の「武士道」

本書『武士道』の中で、新渡戸稲造は武士道がどのような要素によって構成されているかについて言及しています。

新渡戸は、武士道には大きく分けて7つの要素がかかわっていると述べています。

<武士道に関与する7つの要素>

「義」「勇」「仁」「礼」「誠」「名誉」「忠義」

ここではその中でも新渡戸稲造が、最も武士道の精神構造を語る上で重要視した2つの要素、「義」「勇」について紹介していきたいと思います。

新渡戸によると「」とはすなわち、武士道精神の中でも最も厳格なる要素です。

「義は勇の相手にて裁断の心なり。道理に任せて決心して猶予せざる心をいうなり。死すべき場合に死し、討つべき場合に討つことなり」(p39)

簡単に言えば、「不正な行為をせずに真っ当に生き、道理に従って正しく物事を判断すること」であると言えます。

次に「勇」ですが、これは「正しいことをすること」です。

自分が何か行わなければならない時に、しっかりその行動を全うすることが「勇」です。

「贈り物」から考える日本人精神

日本人独特の精神が現れるのが、贈り物をする時だと新渡戸は考えています。

今でも、日本人は何か贈り物として贈る時に、「つまらないものですが〜」と前置きを置く場面を見かけます。

アメリカではそのような前置きをすることはないと新渡戸は述べています。

アメリカでは自分たちが贈り物をする際、「あなたにとって良い物を買ってきました」という意味で、贈り物を贈ります。

素晴らしい人に対して、良い物を送るのは当然のことだとアメリカ人は考えます。

一方で、日本人の贈り物への考え方はアメリカ人とは異なります。

日本では、「あなたに合うような贈り物など存在しません」という考え方が、根底にあると新渡戸は考えています。

あなたのような素晴らしい人に相応しい贈り物など存在しないと日本人は考えます。

そのため、贈り物をする際には常に「つまらないものですが〜」と謙遜しながら贈り物を交わすのです。

日本人には、武士道の精神をなしている要素の1つである「礼」が、今でも生活に根強く残っています。

『武士道』感想/まとめ

「自己犠牲」と「矜持」は共存することができるのだと本書『武士道』を読んで考えさせられました。

誇り高い精神を持ちながらも、自分以外の何かのために行動し、忠誠を誓うことは可能であることに気づかされました。

また、「死に際」の重要さについても自分自身の考えを改めることになりました。

死に際を見誤って死ぬことは非常に恥であると考えていた武士たち。

時には「名誉」のために自分の命すら投げ出すその姿勢は、私を含む現代の人々には簡単には真似できないと思いました。

今は高度な医療が発達し、誰もが長生きできる時代です。

そんな時代だからこそ「いつ人生を終えるのか」を自分自身で考え、「名誉」のために行動することの重要性を、本書『武士道』から学んだ気がします。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

武士道

『武士道』新渡戸稲造 岩波文庫

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『代表的日本人』内村鑑三 岩波文庫

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『代表的日本人』の記事は以下からどうぞ。

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