日本の美意識は茶にこそある?岡倉覚三『茶の本』あらすじを簡単に


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『茶の本』岡倉覚三 岩波文庫

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新渡戸稲造『武士道』、岡倉天心『茶の本』、内村鑑三『代表的日本人』。

この三冊は同時期に西洋人に日本の文化や思想を紹介した本として有名です。

『茶の本』あらすじ/要約

本書『茶の本』は「西洋人に対して茶を通して、日本人精神を説明した本」です。

本書『茶の本』が出版されたのは1906年。日露戦争が終了した後に書かれたものです。

著者の岡倉天心が西洋人に対して「茶」という日本の文化を伝えるために書いた本です。

日清・日露戦争における勝利によって、日本は西洋からの注目を浴びるようになります。

多くの人が「戦争」や「戦」に注目する中、岡倉天心は茶という文化に注目しました。

ただ、茶の歴史について解説している本ではありません。

禅や花、茶室と茶の関わりについても述べられています。

茶という文化を通して日本人精神を明らかにしたのが本書『茶の本』です。

生の術

著者岡倉天心は日本人の戦における精神ばかりが西洋で注目されることを憂いていました。

『茶の本』では、このように述べられています。

西洋人は、日本が平和な文芸にふけっていた間は、野蛮国とみなしていたものである。しかるに満州の戦場に大々的殺戮を行ない始めてから文明国と呼んでいる。(p23)

当時新渡戸稲造の『武士道』が流行っていたように、日本人の戦の精神が注目されていました。

しかし、それは岡倉覚三に言わせれば「死の術」に他ならないものでした。

日本人には西洋から尊敬されるべき「生の術」がある。

そしてその生の術にこそ、日本人としての精神構造が詰まっていると岡倉覚三は考えたのです。

岡倉覚三は、生の術に茶を見出したのでした。

花と日本人

21世紀に生きる私たちでも、花は常に私たちの身近なところにあります。

私たちが普段気づかないかもしれません。

しかし花は常に私たちのそばにあり、人生を彩ってくれます。

私たちは何か祝うべきことがあると、花を贈りあいます。

結婚、出産、出世。私たちは花を贈ります。

そして葬式にも花はいつの間にか並んでいます。

死という人間の最期の場面でも、花は私たちを彩ってくれています。

私たち日本人は花と共にあり、花なしには生きられない人間なのです。

『茶の本』感想/まとめ

日本にずっと住んでいると日本人という実感がわきません。

本書『茶の本』を読んで、日本人として新たに気づいた点が多くありました。

一例が先ほども挙げた「花」。

花が私たち人間と不可分な存在であることは、『茶の本』を読むまで気がつきませんでした。

西洋諸国の人々に対して書かれた本書『茶の本』。

しかし改めて日本人として読んでみると、新しい発見があるかもしれません。

むしろ、昔の日本の文化から少し離れかけている今の日本人こそ読むべき対象なのではないかと思います。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『茶の本』岡倉覚三 岩波文庫

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