こんにちはshunです!
今回こちらの本を読了したので、紹介したいと思います。
『脳科学は人格を変えられるか?』エレーヌ・フォックス 文藝春秋
タイトルだけを見る限り所謂「自己啓発本」に近いのではないかと思う方もいるかと思いますが、読んだ限りでは「科学本」というカテゴリーに入るかと思います。
それでは内容の方を紹介していきます。
『脳科学は人格を変えられるか?』のあらすじ/要約
グラスに水が半分入っていた時、ある人は「半分も水が入っている」と考え、ある人は「半分しか水が入っていない」と考えます。世の中には物事をポジティブに考える人とネガティブに考える人がいます。
どうして同じ水の量なのに異なる考え方が生まれるのでしょうか?
その原因は脳にあると筆者のエレーヌ・フォックスは主張しています。物事をポジティブに考えるかネガティブに考えるかは、ポジティブな脳なのか(=Sunny Brain)それともネガティブな脳なのか(=Rainy Brain)によって決まるのです。
『脳科学は人格を変えられるか?』では、心理学者のエレーヌ・フォックスが「脳科学が人格を変えられるのか」や「どのようにすれば人格を変えることができるのか」について明快な回答を与えてくれています。
楽観的=能天気という誤解
皆さんは、「楽観」という言葉にどのような印象を持ちますか?私のイメージでは、楽観とは
・「何も考えていないポジティブ」
・「能天気」
というイメージでした。
しかし、筆者エレーヌ・フォックスによると、楽観は以下のような定義になります。
楽観とはいつもただ上機嫌でいるだけではなく、意義深い生活に積極的にかかわり、打たれ強い心を育み、「自分で状況をコントロールできる」という気持ちを持ち続けることだ。(p82)
筆者によるとただ、何も考えずにポジティブに考えることが楽観ではないのです。しっかりと現実の状況に向き合い、自分がベストだと思い行動をとる。そしてその結果が悪かった場合でも何が悪かったのか考え自分をコントロールし、また行動をする。これこそが真の楽観なのです。
ビジネスなどで使われている言葉で説明するなら楽観的な人=PDCAサイクルをうまく回せている人というイメージが近いのかもしれませんね。
ポジティブとネガティブの黄金比
ネガティブな思考を完全に無くすことは事実上難しいことも事実のようなのです。『脳科学は人格を変えられるか?』によると、人間の生存本能の傾向として、ポジティブなものよりもネガティブなものにより強く引かれるという性質があるそうです。物事をネガティブに考えてることを完全に防ぐことは難しいのです。
それでは、楽観的な脳(=Sunny Brain)を持つにはどうすればいいのでしょうか?
エレーヌ・フォックスによると、ネガティブな思考を完全に無くすことではなく、ポジティブとネガティブの比率を意識することが楽観的な脳を持つために重要だと述べています。
本書によると、ポジティブな気持ちとネガティブの気持ちの比率は3:1が適正だそうです。Sunny Brainになるには意識的に思考を変え、ネガティブな気持ちの3倍ポジティブな気持ちを抱く必要があります。
『脳科学は人格を変えられるか?』終わりに/感想
『脳科学は人格を変えられるか?』の原題は『Rainy Brain, Sunny Brain』。本の内容は原題を中心に記載されているので、無理に題名変えなくて良かったのではないかと思いました。
また、Sunny Brainを作り出す具体的な方法にはあまり分量は割かれていないため、ポジティブな脳を作る具体的な方法をたくさん知りたいという方はもしかしたら他の心理学の本を読んだ方が良いのかもしれないと感じました。
ショーン・エイカーという心理学者も「幸福優位」を唱えています。TEDに登場したこともあり、心理学の本もいくつか出版されています。彼の著書『幸福優位7つの法則』では、ポジティブな脳を作るための具体的なアプローチの方法がいくつも紹介されています。
以下の関連書籍に自分が読んだことのある本をいくつか載せておきますので、そちらも興味があれば是非読んでみてはいかがでしょうか。
逆に、具体的な方法ではなく、「脳のどのような働きが感情に影響するのか」や「最新の脳科学の世界や症例を知りたい」という方には『脳科学は人格を変えられるか?』は魅力的な1冊ではないかと思います。私は単行本で読みましたが、先ほどAmazonで調べると文庫版も出ているそうなので、そちらも検討してみてはいかがでしょうか。
それではまた〜。
<記事で触れた書籍一覧>
『脳科学は人格を変えられるか?』エレーヌ・フォックス 文藝春秋
『幸福優位7つの法則』ショーン・エイカー 徳間書店
『成功が約束される選択の法則』ショーン・エイカー 徳間書店
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