極限の収容所生活で何を見出す?『夜と霧』あらすじを簡単に紹介!

『夜と霧』

こんにちはshunです!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『夜と霧』

『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル みすず書房

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多くの人に読み継がれてきた世界的な名著『夜と霧』。

そんな『夜と霧』のあらすじや自身の感想について簡単に紹介していきます。

『夜と霧』あらすじ/要約

著者のヴィクトール・E・フランクルはオーストリアの心理学者で精神科医です。

フランクルはある日、ポーランドのアウシュビィッツ強制収容所の被収容者になります。

『夜と霧』は、そんな被収容者であるフランクルが、心理学者という立場から、アウシュビィッツ強制収容所の状態や被収容者の精神状態について分析した本です。

『夜と霧』では収容所生活を以下の3つの段階に分けて、被収容者の精神分析を行っています。

・強制収容所に収容される前の段階

・強制収容所そのものの生活の段階

・強制収容所から出所した時の段階

「強制収容所は人の精神状態をどのように変化させていくのか」

そんなテーマを中心にして、編集されているのが、本書『夜と霧』です。

被収容者が収容場生活で失うもの

フランクルが収容されていたポーランドのアウシュビィッツ強制収容所。

被収容者は、自分の肉体以外の全てのものを収容所で奪われてしまいます。貴重品や家族との思い出は詰まった品物でさえも容赦無く奪われます。

それだけでなく、自分の髪の毛でさえも剃られてしまいます。被収容者たちは、自分の体以外に、自分の持ち物と呼ぶ事ができるものを一切所有することを許されません。

そこでは、被収容者は人権すらも失われてしまいます。

被収容者達は名前でもニックネームでも呼ばれません。彼らには1人1人「番号」が付いています。収容場の生活の中では、番号でしか呼ばれることはありません。収容場生活の中で、自分の名前が必要になることはないのです。

被収容者は文字通り、全てを失います。

そんなあまりに過酷な収容場生活の中で、生きる希望すら失ってしまう人も出てきてしまうのです。

環境への適応

ロシア人作家であるドストエフスキーは、著書『死の家の記録』(新潮文庫)でこのようなことを述べているそうです。

「それにしても、人間は(劣悪な環境の中でも、慣れていけば、生きられるものだ!人間はどんなことにでも慣れられる存在だ。わたしはこれが人間のもっとも適切な定義だと思う。」(p15)

「昨日まで一緒の生活をしていた収容者が目覚めたら死んでいる」

そんな事が日常茶飯事のように起こる異常な収容所生活の中でも、私たち人間はその環境に慣れ、適応していくのだとフランクルは述べています。

「死」という普通の生活ではあまり触れることのない出来事でさえも、それが頻繁に起こることで、被収容者は次第その環境が当たり前のように思えてくるのです。

被収容者たちは、次第に他の収容者が死んでいても気にしなくなっていきます。

一見それは残酷に見えますが、人間としての防衛本能が隠されているのではないでしょうか。

「死」と常に向き合っているような環境の中で、毎回のように驚き、そして心を痛めていては、自分自身の精神が持たなくなってしまいます。

環境に慣れていくことは少しでも生きながらえるようにするために必要不可欠なことなのです。

また、栄養失調のはずなのに身体はピンピンしていたり、以前は他人のいびきに対して敏感だったのに、隣にそのような人がいてもぐっすり眠れたりすることも『夜と霧』には記載されています。

『夜と霧』感想/まとめ

著者であるフランクルは『夜と霧』の中で、収容所の生活の悲惨さを描いています。

しかし、ナチスドイツを直接批判をするなど、戦争そのものに対する批判をしている描写はありません。

戦争に対する批判をほとんどせず、淡々と収容所生活における被収容者の精神状態を描写している。単に戦争を批判するよりも戦争の恐ろしさを読者に痛感させてきます。

『夜と霧』を読んで「収容所生活の悲惨さを実感した」というように、戦争に対する批判をするのは、少し違う気がします。

むしろ私はこの本に「希望」を見出しました。

『夜と霧』では、最終的に生き残った人たちは「人生に対して何らかの生きる目的を見出した」と書かれています。

自分の所有物を文字通り全て失った収容所生活。

そんな中でも「自分の大切な人が待っている」というような希望を持ち続けた人たちだけが生き残ったのです。最終的に生き残った人は、「肉体の死」ではなく、「精神の死」を免れた人でした。

本当に大切な人が待っているかどうかは被収容者にはわかりません。もしかしたら、すでにその大切な人がこの世に存在していないかもしれません。

それでも、大切な人が待っているという希望を持ち続けることが大切なのでしょう。それは一種の思い込みであって、自己満でしかないように見えるかもしれません。

しかし、それでもその人が生き抜くためには必要なことなのです。

「世界的名著だから」という安易な理由で、購入を決めた本。そんな本にここまで考えさせられるとは思いませんでした。読んで本当によかったです。

興味を持った方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『夜と霧』

『夜と霧』ヴィクトール・E・フランクル みすず書房

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