ジョージ・オーウェル『パリ・ロンドン放浪記』あらすじを5分で紹介


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『パリ・ロンドン放浪記』ジョージ・オーウェル 岩波文庫

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ジョージ・オーウェルはもともと裕福な家庭に育っています。

ジョージ・オーウェルが社会の最底辺で働く人々の実情を自分の目で見て書き上げたルポルタージュ小説が、本書『パリ・ロンドン放浪記』です。

それでは早速、ジョージ・オーウェル『パリ・ロンドン放浪記』のあらすじや感想を紹介します。

『パリ・ロンドン放浪記』あらすじ/要約

ジョージ・オーウェル『パリ・ロンドン放浪記』は「パリとロンドンに住む社会の最底辺の人々の生活を描いた小説」です。

ジョージ・オーウェルはインド帝国の警察官としてビルマに滞在していました。

しかし、イギリスの帝国主義政策に嫌気がさしてしまい、警察官を辞職してしまいます。

その後、ジョージ・オーウェルは実際にパリやロンドンに赴きます。

パリやロンドンで生きるか死ぬかの貧困生活を過ごすことになります。

パリとロンドンでの貧乏体験は貧困とは今まで縁がなかったジョージ・オーウェルにとって、初めての経験でした。

貧しい人と生活を共にする中で、ジョージ・オーウェルは貧困に窮している人を理解するようになります。

貧困者たちの考えや生活を文章にしたのが本書『パリ・ロンドン放浪記』です。

貧困の中での救い

本書『パリ・ロンドン放浪記』の中で、ジョージ・オーウェルはこのようなことを述べています。

というのは、貧乏のどん底にちかづくと、あることを発見して、あとはたいていどうでも良くなってしまうからである。退屈で、けちなやりくりに追われるうちに、飢えがせまってはくるものの、貧乏には同時に大きな救いがあることを発見するのだ。将来というものが消えてしまうのである。(p27)

貧乏を極めると、将来の不安がなくなってしまうとジョージ・オーウェルは述べています。

お金がないというたったそれだけのことで、人は常識のある行動から逸脱してしまったり、まともに物事を考える能力が欠如してしまったりします。

お金がないことで物質的に貧しくなるだけでなく、精神的にも貧しくなってしまうのだと本書を読んで痛感させられます。

労働の意味

ジョージ・オーウェルは本書『パリ・ロンドン放浪記』のなかでこんなことを述べています。

その仕事が必要だろうとなかろうとそれは問題ではなく、働くこと自体がー少なくとも奴隷にとってはいいことなのだから、働かせろ、というのである。(p159)

ジョージ・オーウェルによれば、労働の意味は関係なく、ただ労働をする行為に意味があるのです。

一方で、以前読んだドストエフスキーの『死の家の記録』では、このように書かれています。

つまり、最も凶悪な犯人でもふるえあがり、それを聞いただけでぞっとするような、おそろしい刑罰を加えて、二度と立ち上がれぬようにおしつぶしてやろうと思ったら、労働を徹底的に無益で無意味なものにしさえすれば、それでよい。(p40)

ドストエフスキーによれば、無益な労働であれば労働をしても満足をすることはありません。

果たして労働はすることに意味があるのでしょうか、それとも働くこと自体には意味はないのでしょうか。

『パリ・ロンドン放浪記』感想/まとめ

ジョージ・オーウェルの作品は『1984年』『動物農場』の2作品を読んでいます。

彼の作品を読むたびに、「ジョージ・オーウェルは、人間の最低限の矜持に強い関心を持っていたのではないか」と感じます。

人間と呼べる最低限のラインは一体どこにあるのか。

そんなことをテーマに小説を書いているように思えるのです。

今回の『パリ・ロンドン放浪記』もその例から漏れません。

社会の最下層に生きる人々の精神状態を鋭く分析することで人間とは何かを読者に問いかけている。そんな気がします。

もともと裕福な生まれに育ったジョージ・オーウェル。ビルマの警察官として働いていれば困窮することも生涯なかったでしょう。

わざわざ貧困者の生活をしようなどとは普通の人間は思わないはずです。彼をそこまで突き動かしたものは何だったのでしょうか。

自分の今までの生活を捨ててもいいと思えるほどの感情は何がきっかけで生じたのか知りたいと思いました。

もしかすると、ジョージ・オーウェルが好きな人は何かしら社会に対して不満を持っている人々なのではないか。

そんなことも考えさせられる本でした。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『パリ・ロンドン放浪記』ジョージ・オーウェル 岩波文庫

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死の家の記録

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