明晰な社会批判!ジョージ・オーウェル『オーウェル評論集』あらすじ


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『オーウェル評論集』ジョージ・オーウェル 岩波文庫

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ジョージ・オーウェルといえば、『1984年』や『動物農場』などの小説で知名度の高い作家です。

本書『オーウェル評論集』はエッセイです。

しかしジョージ・オーウェル独特の鋭い分析と明確な社会批判はそこに健在しています。

『オーウェル評論集』あらすじ/要約

本書『オーウェル評論集』は「ジョージ・オーウェルの思想がまとめられた一冊」です。

『1984年』や『動物農場』を読んだことがある方。

そのような方は、「政治を痛烈に批判している人」というイメージがあるかもしれません。

しかし、本書『オーウェル評論集』で取り上げているのは政治的な事象に限られません。

本書『オーウェル評論集』は以下の12篇を収録しています。

・『なぜ書くか』
・『絞首刑』
・『象を撃つ』
・『チャールズ・ディケンズ』
・『鯨の腹の中でーヘンリー・ミラーと現代の小説』
・『書評ーアドルフ・ヒットラー著『わが闘争』』
・『思いつくままに』
・『ラフルズとミス・ブランディッシュー探偵小説と現代文化』
・『英国におけるユダヤ人差別』
・『P・G・ウドハウス弁護』
・『ナショナリズムについて』
・『出版の自由ー『動物農場』序文』

収録されている評論を見ると、文学についても言及していることがわかります。

象を撃つ

ジョージ・オーウェルの植民地支配をすることの葛藤がにじみ出ている作品です。

当時ジョージ・オーウェルが所属していた大英帝国は、ビルマを支配していました。

ジョージ・オーウェルは警察官吏としてビルマに駐在します。

そんな中、1匹の象が暴れ出し、現地の人を踏み殺してしまいます。

治安維持のため、ジョージ・オーウェルは象の対処に迫られるという話です。

ジョージ・オーウェルはその後、ビルマから帰国します。

そして警察官も辞職してしまいます。

わが闘争の書評

ジョージ・オーウェルがアドルフ・ヒットラーの著書『わが闘争』の書評をする。

これだけでも本書『オーウェル評論集』を購入する理由にはなるかと思います。

ジョージ・オーウェルはアドルフ・ヒットラーを「精神的に進歩していない人物だ」と痛烈に批判しています。

しかし一方で、アドルフ・ヒットラーという人物の魅力についても言及しています。

なぜアドルフ・ヒットラーがドイツ総帥として君臨したのか。

どうしてドイツの民衆は一見すると暴君にしか見えないアドルフ・ヒットラーを支持したのか。

それらの理由がジョージ・オーウェルによって語られています。

『オーウェル評論集』感想/まとめ

ジョージ・オーウェルの文章は非常に明快で主張がわかりやすい。

私自身のイメージは、小説家というよりもジャーナリストの側面が強いです。

ジョージ・オーウェル自身も『なぜ書くのか』でこのように述べています。

一冊の本を書こうとするとき、「芸術作品を書くぞ」と思うことはない。
暴露したい嘘があるから、世の注意を促したい事実があるから、書くのであって、最大の関心事は耳を貸してもらうことである。(p17)

多くの人々に隠されている真実を伝えたい。

そのような思いで書いているからこそ、わかりやすく明快な文章が書けるのではないかと思います。

著書を読むたびに、「ここまで痛烈に批判して大丈夫なのか?」と思います。

20世紀の前半で生涯を過ごしたジョージ・オーウェル。

ここまで痛烈に批判することはかなり勇気の要ることだったに違いありません。

そんなジョージ・オーウェルが書く文章は今に生きる私たちにも警鐘を鳴らし続けて要るような気がします。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『オーウェル評論集』ジョージ・オーウェル 岩波文庫

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