絵に人生をかけた天才!モーム『月と六ペンス』あらすじと感想


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらのイギリス文学を読了したので、紹介したいと思います。

『月と六ペンス』モーム 岩波文庫

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『月と六ペンス』はイギリス文学者であるモームの代表的な作品です。月は手の届かないもの、六ペンスは取るに足りないものの具体例だそうです。

それでは早速、モーム『月と六ペンス』のあらすじや感想について紹介していきます。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

『月と六ペンス』あらすじ/要約

『月と六ペンス』とは?

モームの『月と六ペンス』は、「1人の画家の人生を綴った物語」です。

主人公のチャールズ・ストリックランドポール・ゴーギャンをモデルにしたと言われています。

チャールズ・ストリックランドは株の仲買人として働いていました。ストリックランドには妻がいて、子供も2人いる普通の家庭に住む40歳の中年男性です。

ある日、ストリックランドは突然、自分の家族と仕事を放り投げ、単身でパリへと向かってしまいます。

ストリックランドは喫茶店で働いていた女性と出ていったのではないかという噂が、広まります。ストリックランド夫人は動揺を隠しきれません。

語り手である「私」はストリックランド夫人の依頼を受け、パリへと足を運びます。

そこで「私」が目にしたのは、汚れたホテルの一室で生活するストリックランドの姿でした。

ストリックランドは妻や子どもを置いてきたことに対して悪びれる様子は一切ありません。

ストリックランドは妻や子どもをおいてまでわざわざパリへと単身向かったのか。その質問に対してストリックランドはこのように答えます。

「絵を描きたかったのだ」と。

平凡な家庭

主人公のチャールズ・ストリックランドの家庭は非常に平凡なものでした。贅沢こそすることはできないものの、貧困に喘ぐ必要もありませんでした。

ストリックランドはイギリスの証券会社で、働く40歳の男性です。

ストリックランドはある日突然姿を消してしまいます。ストリックランドの妻はストリックランドが浮気をしているのではないかと勘繰ります。

ストリックランドの妻と知人であった「私」がパリに向かうと、ストリックランドは意外にも1人でひっそり暮らしていました。

聞くところによると、ストリックランドは絵を描く為に全てを投げ捨ててまで、ここまでやってきたというのです。

どうしてわざわざロンドンから出向いて絵を描こうと思ったのか。そんな「私」の質問に対して、ストリックランドはこのように述べます。

「僕は絵を描かなけりゃならないんだ、といっているだろう。そうするよりほかないんだ。人が水の中へ落ちたら、どういう泳ぎ方をしようと、うまかろうが、まずかろうが、そんなことは問題でない。自らでなけりゃ、溺れてしまうだけだ」(p74)

40歳の男の第2の人生がここから始まるのでした。

承認欲求を全て捨てた人生

語り手である「私」は、『月と六ペンス』の中で以下のように述べています。

人人の意見なんかすこしもかまわないという人たちを、私は信じない。それは無知の強がりである。誤ちがだれにも見つかりはしないとたかをくくって、それについて非難されるのをこわくなどない、といっているだけのことだ。(p81)

しかし、ストリックランドだけはその例外でした。彼は誰からどんなことを言われ続けても、絵を描き続けました。

たとえ誰かに非難を向けられようとも、妻と子どもをおいてきたことに対して、一切自分に責任があるとは思わず、相手にもしませんでした。

ストリックランドはただ自分がしたいことだけの為に生きていたのです。

ストリックランドは別に絵を描くことで超有名な画家になりたかった訳でも、大金を手に入れたかった訳でもありませんでした。

ただ、絵を描きたい。

その思いに駆られて、ストリックランドは絵をひたすらに描き続けるのでした。

そこには絵に文字通り全てをかけた1人の男の絵に対する姿勢が見て取れます。

『月と六ペンス』感想/まとめ

以下の会話が印象に残りました。

「それにしても、だれもが、あなたみたいに振舞ったら、世界はめちゃくちゃになる」

「そんなばかげたことは、いわぬほうがいいぜ。だれもが、ぼくみたいにやりたくはなかろう。たいていの人間は、ありふれたことをやって、すっかり満足している」(p82)

確かに、他人と同じように当たり前のことだけしていれば、自尊心を傷つけられることも少ないだろうし、他人から評判を落とすこともなくなります。

しかしそれでは、何かのパイオニアになったり大成したりすることも同様にありません。

何かを成し遂げようとする為には、何かしらのリスクを伴うものです。

それは場合によってはお金なのかもしれませんし、あるいは時間なのかもしれません。

ストリックランドが抱いていた、狂気といっても過言ではない感情。

何か一つの物事に自分の命というリスクを冒してまで、打ち込めるものが見つかったストリックランドが羨ましいとさえ思ってしまいます。

初めてモームの作品を読みましたが、内容も分かりやすくて面白い。今後も定期的に読んでいこうと思います。

総評

・オススメ度★★★★☆

・読みやすさ★★★★★

気になった方はぜひ読んでみてください。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『月と六ペンス』モーム 岩波文庫

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