空虚な女性の破滅を描く!イプセン『ヘッダ・ガーブレル』あらすじ


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

ヘッダ・ガーブレル』イプセン 岩波文庫

⇒Amazonで見る

ヘッダ・ガーブレル』あらすじ/要約

本書『ヘッダ・ガーブレル』は「嫉妬深い凡人が破滅する物語」です。

ヘッダ・ガーブレルという一人の女性がいました。

彼女は学者テスマンを夫に持つ美人でした。

ヘッダの生活は貧しくなく、もしろ豊かなものでした。

しかしヘッダは生活に満足しません。彼女は常に退屈だったのです。

人生に退屈しているにもかかわらず、変化を嫌い、そして周囲に嫉妬の目を向けています。

夫であるテスマンにも愛情はありませんでした。

そんなある日、昔の知り合いだったエルヴステード夫人がヘッダの元を訪ねます。

退屈な女性

将軍の娘として生まれながらに高い地位を持ったヘッダ。

ヘッダは美人でもあったため、常に男から好感を持たれていました。

しかしヘッダは恋愛に興味はありませんでした。

夫として選んだ文化史学者のテスマンに対しても愛情はありませんでした。

テスマンは将来を有望視されており、将来大学教授になることを嘱望されていました。

世間的には恵まれているであろうヘッダ。

しかしヘッダは自分の生活に退屈を感じています。

空虚な自己

ヘッダには自己というものがありません。

確固とした自己がないことによって、他人に対して嫉妬の目を向けてしまうのです。

自己をしっかり持っている人は、自分と他人が違うことを理解しています。

自分と他人が違うからこそ、他人の言動を尊重する態度が生まれます。

自己が確立していないと、他人を認める寛容性が失われてしまうのです。

ヘッダは人生に退屈しているにもかかわらず、その生活を脱却しようとはしません。

結婚もみんながしているからという理由で将来有望な男と結婚します。

そこには彼女自身の意思がないのです。

ヘッダ・ガーブレル』感想/まとめ

『人形の家』ほどではありませんが、かなり面白い作品でした。

思春期に自我を形成できなかったことがヘッダに虚無をもたらしたのではないでしょうか。

自己を形成することは時に辛いものです。

他人が簡単にやってのけることが自分にはできないということもあります。

他人との葛藤に揉まれながら自己は確立していくものだと私は思います。

傷つくということは若いうちにしか経験できないのではないでしょうか。

大人になると、子どもの時ほど挑戦しなくなり、傷つくことを恐れます。

人はパンだけでは生きることはできないのかもしれません。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

ヘッダ・ガーブレル』イプセン 岩波文庫

⇒Amazonで見る

<関連記事>

「真の家族とは何か?モンゴメリ『赤毛のアン』あらすじを短く簡単に」

「一見幸せな家庭に潜む秘密とは?イプセン『人形の家』あらすじ」