貧しい青年が抱いた大きな野心!スタンダールの小説『赤と黒』の感想

赤と黒

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

赤と黒

『赤と黒(上)』スタンダール 岩波文庫

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『赤と黒(下)』スタンダール 岩波文庫

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スタンダールの最も有名な作品と言えば、この作品『赤と黒』でしょう。『赤と黒』は、モームの『世界の十大小説』の中でも取り上げられ、世界的にも認知度が高い小説です。

モームの著作に関する記事はこちらから読めます。

それでは早速、スタンダール『赤と黒』のあらすじや感想について紹介していきます。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

『赤と黒』あらすじ/要約

『赤と黒』とは?

スタンダールの『赤と黒』は、「野心を抱いた青年の恋の物語」です。

主人公のジュリアン・ソレルは貧しい家で育った青年です。

ジュリアンは才智に優れ、また美貌も持ち合わせていました。野心家でもあり、自分が立身出世することを切望していました。

ジュリアンはある日、貴族であるレーナル家の家庭教師をすることになります。

レーナル夫人は、才智と美貌を持ち合わせているジュリアンに対して、心惹かれていくようになります。

ジュリアンも次第に心惹かれていくようになっていき、2人は不倫関係になります。

しかし2人の不倫はすぐに町中に広まってしまい、ジュリアンは神学校に通うことになります。

ジュリアンは以前から聖職者へ道を志望していましたが、その道は断たれてしまいます。

しかしジュリアンは、神学校の校長の計らいもあり、ラ・モール侯爵の秘書として働くことになります。

そしてジュリアンは、ラ・モール侯爵の令嬢マチルドと出会います。

ジュリアンとマチルドとの関係性はどうなるのか。そしてレーナル夫人との不倫関係はどう展開するのか。

立身出世という大きな野心を抱いた青年の恋の行方を描いた小説が、本書『赤と黒』です。

上流階級への軽蔑

まず、本書『赤と黒』を読み解いていくためには、当時のフランス社会を理解していないと難しいので、ここで触れます。

まず、舞台となったのは王政復古のフランスです。

王政復古は、1814年のナポレオン没落から、革命が起こる1830年の七月までの時代のことを指します。

この時代は、ナポレオンの没落と同時に軍人として武勲を立て、立身出世をすることが難しくなった時代です。

ジュリアンも武勲を立てて立身出世をするという方法を諦めます。

当時は、フランス革命によってルイ16世が処刑され、ナポレオンが帝政を行い、その後帝政を破って王政が再び君臨した時代です。

また、貴族と庶民の対立化も進んでいました。

貴族側は、いつ庶民がフランス革命のような革命を起こすかわからないという恐怖を抱えていました。

庶民側も、いつ貴族からの反撃をもらうか常に懸念していたという時代です。

そのため、ジュリアンは貴族と庶民のどちらにも属さず、権力と身の安全が保障されている聖職者への道を目指しているのです。

そんな時代に、貧しい家で育ったジュリアンは上流階級に対して、当然ながら嫌悪の念を抱いていました。

上流階級に対する怒り。それがジュリアンの立身出世の原動力だったのです。

立身出世のための愛

立身出世というジュリアンの大きな野心は、とどまることを知りませんでした。

ジュリアンは立身出世のために、レーナル夫人と恋をすることになります。

レーナル夫人は純粋にジュリアンを愛していました。レーナル夫人はジュリアンの明晰な頭脳と美貌にすぐ夢中になってしまったのです。

しかし、ジュリアンは立身出世のためにレーナル夫人を愛していました。

「貴族の女を自分のものにしなければならない」

ジュリアンにとってレーナル婦人は立身出世のための道具に過ぎなかったのです。

しかし、そんなジュリアンも次第にレーナル夫人に対して愛情を抱くようになっていきます。

『赤と黒』感想/まとめ

自分自身の立身出世のために、あらゆる犠牲を重ねていく青年。そして最終的な破滅。女性を立身出世のための道具として利用したとはいえ、やはり考えさせられるものがあります。

貴族と庶民という対立構造の中で、政治に対して、そして社会に対して凄まじい怒りを持った青年。

1人の青年をここまで撹乱し、そして破滅に追い込んだのは当時の政治、そして社会です。

当時の政治が、直接的ではないにしてもジュリアンを破滅に追い込んだのです。

もし生まれや境遇が違っていたら、ジュリアンは違った生き方をしていたでしょう。

『赤と黒』を読んで、政治には人の人生を簡単に揺るがす危険性があるということについて認識させられました。

本書『赤と黒』を読んでいて少し、冗長な印象を受けました。ラストの方はかなりテンポよく読んでいけますが、それまで読み通すことが少し面倒に感じるかもしれません。

総評

・オススメ度★★★☆☆

・読みやすさ★★★☆☆

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

赤と黒

『赤と黒(上)』スタンダール 岩波文庫

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『赤と黒(下)』スタンダール 岩波文庫

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