理不尽な死を目の前に人はどう行動する?カミュ『ペスト』あらすじ


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『ペスト』カミュ 新潮文庫

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フランスの巨匠カミュの『異邦人』と並ぶ代表的作品。それが本書『ペスト』です。

NHKの100分で名著などでも取り上げられているそうです。

『ペスト』あらすじ/要約

本書『ペスト』は「ペストに直面した人々の行動を綴った物語」です。

アルジェリアの地方都市、オラン。

オランの地で、突然大量のネズミたちが死んでいるのが発見されます。

市民たちは訝しく思いながらもそれほど気にはしませんでした。

しかしネズミが次々に死んでいった原因はペストでした。

人々が気が付いた頃には時すでに遅しといった状況でした。

既に人々の間でもペストは拡大しつつあったのです。

ペストの流行を防ぐため、オランの地は閉鎖されます。

市民はオランから出ることを許されません。

目に見えない殺人病を眼の前にした人々。

ある人はその恐怖に逃げ惑い、ある人は勇敢に立ち向かいます。

ネズミの大量死

医師であるリウーはある日、自分の足元にネズミが死んでいることに気がつきます。

リウーはその時、オランの地にペストの影が潜んでいることに気が付いていません。

次第に、ネズミの死骸が至る場所で発生するようになります。

とある工場では、数百匹のネズミが大量に死んでいることがわかります。

その時までは人に対して何か異常な自体は起こっていませんでした。

オランに住む人々は、ネズミが大量死することに対して不安を覚えます。

地域新聞がネズミの大量死を報道し、役所もネズミの駆逐に動きます。

そんなある日、リウーの住む家で門番をしていたミッシェルという老人が高熱により死亡します。

そしてそれを皮切りに、オランの地で高熱を訴える人が急激に増加します。

終わらない恐怖

本書『ペスト』では、このようなことが述べられています。

戦争が勃発すると、人々はいうー「こいつは長くは続かないだろう、あまりにもばかげたことだから」。そしていかにも、戦争というものは確かにあまりにもばかげたことであるが、しかしそのことは、そいつが長続きする妨げにはならない。愚行は常にしつこく続けられるものであり、人々もしょっちゅう自分のことばかり考えてさえいなければ、そのことに気がつくはずである。(p55~56)

ここではカミュは戦争を例に取り上げていますが、ペストも同じだと考えています。

当時、アランの人々は「すぐにペストは終わるだろう」と考えていたに違いありません。

役所の人々でさえ、ペストが拡大している知らせを受けてもすぐに動きはしませんでした。

しかしそれは願望なだけであって、いつペストが終わるかは誰にもわかりません。

すぐにケリがつくと思っていた人々は、ペストが根絶しないことで精神的に追い詰められていきます。

『ペスト』感想/まとめ

天災、疫病、不慮の事故。

不条理による死は、どの時代においても私たちを悩ませます。

科学技術が発達した現在でも、人は自然には敵いません。

理不尽な死を眼の前にした人々は様々な行動を取ります。

その行動こそがその人の素性を明らかにしているように思えます。

どんなに体裁を見繕って生活していたとしても、その仮面は剥がされてしまうに違いありません。

読者は、『ペスト』に登場する医師のリウーのようでありたいと思うかもしれません。

しかしもし、自分の身近で不条理な死に直面することがあったとしたら。

リウーと同じように振る舞うことはできるのでしょうか。

そんなことを考えながら本書『ペスト』を読み進めていました。

また、「理不尽な死」というキーワードから『なぜ私だけが苦しむのか』という本も連想しました。

これは理不尽な死に対してどのように向き合うべきかについて書かれた本です。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『ペスト』カミュ 新潮文庫

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『なぜ私だけが苦しむのか』H.S. クシュナー 岩波書店

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