マンの自伝的作品!トーマス・マン『トニオ・クレエゲル』あらすじ


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『トニオ・クレエゲル』トーマス・マン 岩波文庫

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『トニオ・クレエゲル』あらすじ/要約

本書『トニオ・クレエゲル』は「トーマス・マンの自伝的作品」です。

『トニオ・クレエゲル』 の表紙にも若き日の自画像とあるように、マンの自伝的作品です。

トニオ・クレエゲルという人物は、若き日のマンそのものということになります。

若き日のマンの悩みが伺えます。

人とは違う存在であることに悩み、他人に嫉妬する。

偉大な文豪になる前の、マンの意外な一面が『トニオ・クレエゲル』 を通して理解できます。

凡庸ではなかった少年

少年、トニオ・クレエゲル。

トニオ・クレエゲルは若き頃から普通の人とは違っていました。

芸術家と凡人の間に揺れていたトニオ・クレエゲル。

凡人でもなければ、芸術家でもないという微妙な立ち位置に悩まされ続けます。

トニオ・クレエゲルは『トニオ・クレエゲル』の中で、凡人を小馬鹿にするような言動もしています。

しかし同時に、凡人に対するある種の羨ましさや嫉妬も垣間見えます。

凡人ではなかった故に、誰からも理解されないという苦しみ。

それがトニオ・クレエゲルを、そして若きマンを悩ませたのでした。

他人への嫉妬

自我の確立を促される時期である思春期。

そんな思春期は14歳のトニオ・クレエゲルにも訪れます。

芸術に対して強い憧れを持ちながらも、同時に平凡な人々にも羨ましさを持っていたトニオ・クレエゲル。

自我が確立していないが故に、自分以外のもの全てを愛してしまう。

そのような状態にトニオ・クレエゲルはなっているのでした。

『トニオ・クレエゲル』 ではこのようなことが述べられています。

 最も愛する者は、常に敗者であり、常に悩まなければならぬーこの素朴でしかも切ない教えを、彼の十四歳の魂は、もはや人生から受け取っていた。(p6)

自我の確立に頭を悩ませる普通の少年の姿がそこにはあります。

『トニオ・クレエゲル』感想/まとめ

『魔の山』では少し硬くて難しい印象を抱いたトーマス・マン。

しかし『トニオ・クレエゲル』は、それほど苦労することなく読むことができました。

内容も合計で100ページ未満なので、硬筆な文体が苦手な人でも読めるはずです。

本書『トニオ・クレエゲル』 はマンの若き日の自画像です。

ドイツの文豪であるマンでさえ、少年期には他人に対する嫉妬を持っていました。

マンの今まで知らなかった人間臭さを『トニオ・クレエゲル』 から感じることができました。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

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