完全無欠の美しさ!トーマス・マン『ヴェニスに死す』のあらすじ感想


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『ヴェニスに死す』トーマス・マン 岩波文庫

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『ヴェニスに死す』あらすじ/要約

本書『ヴェニスに死す』は「美少年に老いた作家が翻弄される物語」です。

初老の作家、アッシェンバッハ

アッシェンバッハは作家ということもあり、他の人よりも感受性の高い人間です。

アッシェンバッハはヴェニスの旅先で少年タッジオに出会います。

タッジオは、他の少年とは比較すらできないほどの美男子。

アッシェンバッハは旅先で偶然出会った一人の美少年に翻弄されていきます。

地位と名誉を手に入れた作家

『ヴェニスに死す』の主人公であるアッシェンバッハ。

アッシェンバッハは著名な作家で、既に地位と名誉を手に入れていました。

財産も今後死ぬまで困ることはないぐらい保有していました。

著作に力を注いだアッシェンバッハは疲労困憊。

アッシェンバッハ休暇を取る必要に駆られます。

アッシェンバッハは休暇を目的とした旅行に行くことを決めます。

作家であり感受性の高かったアッシェンバッハは旅行先の風景に想いを馳せるのでした。

アッシェンバッハはヴェニスへと足を運びます。

完全無欠な美

彼は芸術家という仕事に、そしてその仕事に携わっている自分に矜持を持っていました。

彼はもとから真に偉大な、包括的な、いや、真に享受すべきものと呼び得るのは、ただ、人間的なもののあらゆる段階で、特徴的な生産をするだけの力を授けられた、芸術家の生活のみだ、という意見だったからである。(p21)

芸術家ということもあり、美に対しての感受性が強かったであろうアッシェンバッハ。

アッシェンバッハは自身の著作の中にも美を見出していたに違いありません。

そんな彼の前に現れた美男子タッジオ。

この世のものとは思えない完全無欠の美にアッシェンバッハは出会います。

自分が創作してきた美を遥かに超越した美が彼の目の前に現れたのでした。

『ヴェニスに死す』感想/まとめ

物語の構成としては異質と言えるのかもしれません。

同性で、尚且つ初老の男性と美少年をめぐる物語はそうはないでしょう。

しかし、『ヴェニスに死す』を読むと、物語の構成に不自然さを感じません。

むしろ、二人でなければならなかったというような印象すら抱きます。

ヴェニスの少年タッジオはまるで蜘蛛のよう。

そして初老の男性は蜘蛛の糸に引っかかった虫のようです。

アッシェンバッハがタッジオと出会ったことには必然性を感じます。

芸術を通した人工と自然の争いに面白みを感じた作品でした。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

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