6人の悪党達が大暴れ?!藤沢周平『天保悪党伝』の感想とあらすじ

『天保悪党伝』

こんにちはshunです!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『天保悪党伝』

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私は普段いわゆる「時代小説」というものはあまり読みません。今回は本屋に立ち寄った際に内容が面白そうだったので、試しに購入してみました。

それでは早速、『天保悪党伝』のあらすじや感想の方を紹介したいと思います。

『天保悪党伝』あらすじ/要約

『天保悪党伝』における主要な登場人物は以下の通りです。

片岡直次郎・・・金さえあれば博打打ちばかりやっている博打好き

金子市之丞・・・辻斬りを繰り返し、金品を強奪している辻斬りの達人

森田屋清蔵・・・密貿易を繰り返す商人

丑松・・・・・・元は料理人の悪党

河内山宗俊・・・ゆすりの名人として有名

三千歳・・・・・吉原の花魁

『天保悪党伝』は、この6人の悪党たちが協力し、水戸藩を相手にとんでもない悪事を仕掛けるという内容になっています。

憎めない悪党

この6人が本物の悪党であるかは議論の分かれるかもしれませんが、善人でないことは確かです。しかし読み進めていくと、この人間味がある悪党達に感情移入させられずには要られなくなっていきます。

特に、個人的に人間味があると感じたのが森田屋清蔵です。森田屋清蔵の父親は旧藩によって殺されており、病弱な母親もそれによって流産し、そして亡くなってしまいます。

森田屋清蔵は両親を失ってしまったことによって裏の世界にも出入りしなければならなくなり、いつか旧藩に対して復讐することを心に抱きながら生活していたのでした。

また、彼らを憎めない理由として、「彼らなりのルールがあること」が挙げられます。

少し余談になりますが、以前、大学の入試問題で、『悪人礼賛』という本の一部抜粋を読んだ事があります。

『悪人礼賛』の筆者、中野好夫によると、悪人ほど関わりやすい存在はないと言います。

中野好夫によると、悪人には彼らなりのルールが存在し、誰彼かまわずに何かをやらかすということはしないと言います。悪人に目をつけられるようなことさえしなければ、悪人達と関わることはそれほど難しいことではないのです。善人よりも悪人の方が筋が通っているとも言えます。

6人が悪党であるにも関わらず、それを憎めない理由。それは6人に人間味があるだけでなく、彼ら1人1人の間に一定のルールがあり、それに即して悪事を行なっているからなのかもしれません。

金の切れ目は縁の切れ目

「金の切れ目は縁の切れ目」という言葉をこの本を読みながら思い浮かべました。

6人の悪党の共通の意識として、「金をもらったのであれば、人を裏切ることはするな」という意識があります。

6人の悪党の中には、困窮している人もいます。そんな人に金を与えたり貸す代わりに、悪党としての仕事をその人に依頼します。

悪党達は、依頼主から金をもらったのであれば、依頼された悪事は何としても成し遂げる。決して依頼主を裏切るようなことをしない。

依頼主もこいつはお金を挙げさえすれば何があっても悪事を成し遂げてくれると考えています。

お金を仲介してはいますが、悪党達の中には立派な信頼関係が築かれていて、本文にそのような関係をうかがわせるような描写が多く存在しています。

『天保悪党伝』感想/まとめ

本の裏表紙のあらすじには、「筋金入りの悪人達がとんでもない悪事をしでかす」というように書かれています。

実際読んでいてもあらすじ通りではあります。しかし、個人的にはもっとその「とんでもない悪事」に関しての内容がもっと欲しかったです。

実際に起こった悪事にそれほど分量が割かれていないため、「あれほど登場人物に関する説明を加えたのはなぜなのか」という疑問を抱きました。

悪党を主役にした映画などでも、登場人物の描写や説明は少ないはずです。その後起こす悪事に分量を多く割くことで、次第に人物達に対する共感や理解も進んでいきます。

あらすじに書かれていた「とんでもない悪事」はあまり私にとってはとんでもない悪事ではありませんでした。迫力は正直あまり感じなかったです。

ただ、登場人物達の描写が多いので、登場人物達の面白さには惹かれます。

ラストの方の悪事の方にも分量を割いてくれたらもっと面白かったと感じました。まあ個人的な意見なので、参考程度にしてください。

今後も気が向いたら時代小説読んでいきたいと思います。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『天保悪党伝』

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悪人礼賛

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