同性愛の苦悩を赤裸々告白!三島由紀夫『仮面の告白』あらすじ/感想

『仮面の告白』

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読んだので、紹介していきます。

『仮面の告白』

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『仮面の告白』は三島由紀夫の代表作です。三島由紀夫の著作については別記事でも紹介しています。合わせてお読みください。

それでは早速、三島由紀夫『仮面の告白』のあらすじや感想を紹介します。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

『仮面の告白』あらすじ/要約

『仮面の告白』とは?

三島由紀夫の『仮面の告白』は、「同性愛であることに苦悩する男の物語」です。

主人公の「私」は、昔の偉人や学校の同級生の男子に対し、性欲を抱く自分に気づきます。自分が同性愛者であることを「私」は次第に理解していきます。

「私」は同性愛者ということを隠しながら、日常生活の中に溶け込もうとします。

ある日、「私」は同級生の妹である、園子という女性と出会います。「私」は園子のスカートから覗き見える足を見て初めて興奮を覚えます。「私」と園子はお互いに好感を持ち、交流を深めていきます。

しかし「私」は、自分が女性に対して性欲を持てないことに気が付きます。結局、「私」と園子が恋人関係になることはなく、園子は他の男性と結婚します。園子と「私」は、友人として関係を持ち続けます。

その後、偶然園子に出会う「私」ですが、「私」は園子ではなく、踊り場にいた若い男性の腕に彫られていた逞しい刺青を見て、情欲に襲われるのでした。

この『仮面の告白』に登場する主人公の「私」のモデルは、三島由紀夫自身だと言われています。

同性愛への目覚め

主人公である「私」は幼い頃から同性愛に目覚めていきます。

5歳の頃に、糞尿汲取人に対して、憧れを持つようになります。「将来の夢は?」と聞かれた際に、「私」は糞尿汲取人と答えています。

その後、「私」は聖セバスチャンや、学校の同級生で、男らしさの塊のような男性である近江に対して、愛情を持つようになっていきます。

正セバスチャンや近江と同じように、「私」はジャンヌ・ダルクにも深い興味を示しました。「私」は、ジャンヌ・ダルクは男性だと思い込んでいました。

しかしジャンヌ・ダルクが女性だとわかった途端、「私」は女性であるジャンヌ・ダルクに対しての興味を失ってしまいます。

「私」は自分自身が同性愛者であり、他の人と違うことに対して、常に苦悩を抱えながら生活していました。

脆弱な自己を守るための仮面

私たちは、常に社会と関わり合いながら生きています。しかし、社会で生きるためには、自分の全てをさらけ出すわけにはいきません。

私たちは誰でも、「他人には教えたくない秘密やコンプレックス」を抱えて生きています。

もし、その秘密やコンプレックスが社会に漏れてしまったら、その後は「異端」扱いを受けてしまいます。

社会の中は、一定の平和に保たれている必要があります。異端な存在は社会にとって秩序を脅かすものになります。

自分の秘密やコンプレックスを守るため、私たちは社会に出る際には仮面をつけます。複数の仮面を持っていて、関わる社会や人によって付け替えることも少なくはありません。

私たちは、表面上はなんの変哲もなく過ごしているように見えます。しかし、その仮面の内には、脆弱で怯えた自己がいます。

いつ仮面を不意に落とし、社会から見放されてしまうかわからない恐怖。そんな恐怖を内心に抱えながら、私たちは生きているのかもしれません。

『仮面の告白』感想/まとめ

本書『仮面の告白』は、かなり読む人を選ぶ小説なのではないかと読んでいて感じました。

「同性愛」というテーマを扱った小説が、万人に評価されることは少ない気がします。

万人には受けるはずのない三島由紀夫の『仮面の告白』。どうしてこれほど認知度が高いのか正直わかりませんでした。

性を中心のテーマとして扱っていることもあり、内容は耽美的。耽美派小説が好きではない人にとっては、嫌悪する描写も多いはずなので、おすすめはできません。

三島由紀夫の『仮面の告白』の中では、園子とのエピソードが個人的に一番印象的でした。

自分自身が同性しか愛することができないと理解しつつも、園子と関係を深めていく。

一種の「怖いもの見たさ」で園子との恋愛に陥っていく「私」の姿に奇妙なリアリティーを感じました。自分自身を題材にした三島由紀夫だから書くことのできる文章に違いありません。

三島由紀夫が本書『仮面の告白』を書き上げたのが、1949年です。

今は少しづつではありますが、LGBTに対する認知度が広まっていていることもあって、 LGBTに対する寛容が以前よりは広がりつつあるのではないかと思います。

日本の太平洋戦争終結が1945年であることを考慮すると、三島由紀夫がこの『仮面の告白』を書き上げたのは、戦後間も無くということになります。

当時、自分が同性愛者であるということを、たとえ本を通してではあっても、告白することは異常なことに違いありません。

『仮面の告白』を三島由紀夫が書き上げたのは、なんと24歳。それらを考慮すると、やはり三島由紀夫は天才と呼ぶに相応しい存在なのかもしれません。

総評

・オススメ度★★★★☆

・読みやすさ★★★★☆

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『仮面の告白』

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