美の極致の建物?三島由紀夫の『金閣寺』あらすじ/感想を簡単に紹介


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介します。

金閣寺

『金閣寺』三島由紀夫 新潮文庫

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三島由紀夫の『金閣寺』は三島由紀夫の作品の中でも特に知名度が高い作品の1つでしょう。

三島由紀夫の他の著作については別記事で紹介しています。合わせてお読みください。

この作品は実際に起きた「金閣寺放火事件」を基に作成されたそうです。

それでは、早速『金閣寺』のあらすじや感想について紹介します。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

『金閣寺』あらすじ/要約

『金閣寺』とは?

三島由紀夫の『金閣寺』は、「ある男が金閣寺を焼き払う物語」です。

主人公である溝口は、金閣寺ほど美しいものは存在しないと父から聞かされ続けます。溝口は、未だ実際に見たことのない金閣寺を美の象徴として意識しながら育っていきます。

溝口は金閣寺を見る機会を得ます。死に際になった父が、溝口を金閣寺の僧になることを勧めたのでした。

実際の金閣寺を知った溝口は、金閣寺が持つ美が期待した以上ではなかったことに絶望します。

思い描いていた美とかなり異なった金閣寺ですが、戦争末期になり、空襲によって金閣寺も消失する可能性があることに溝口は気付きます。金閣寺の持つ悲劇性に惹かれるようになります。

溝口の人生も陰鬱になっていきます。唯一と言っていい友人の自殺や金閣寺の老師との対立、女性関係。

溝口は「金閣寺を焼かなければならない」と考えるようになります。

金閣寺に火を放った溝口は、自らの命も絶とうとします。しかし金閣寺の最上階の扉が開かず、溝口は自害することを阻まれます。溝口は生きようと決意するのでした。

コンプレックスの塊

溝口はコンプレックスの塊と言うべき人物です。

彼は吃音という障がいを抱えていました。吃音とは言葉をスラスラ話す事が出来ない障がいのことです。『金閣寺』とは関係ないですが、映画「英国王のスピーチ」も吃音に悩む人物を主人公にした物語です。

溝口は体も弱く、吃音なため、周囲の人から疎まれるようになりました。その結果、人とのコミュニケーションを積極的に取らなくなっていきます。

また、過去に女性に疎まれた経験が強く残ってしまっており、女性に対する恐怖心も抱えながら生きていました。

顔も醜く、体も弱く、そして吃音。

そんな大きなコンプレックスを抱えて言いた溝口は自分が社会から疎外されているような感覚に陥ります。

金閣寺との関係性

コンプレックスの塊と自認する溝口に対して、父親は金閣寺の美しさについて熱弁を振るいます。実際の金閣寺を見たことがない溝口は、次第に金閣寺を美の極致としてその存在を捉えるようになります。

しかし実際に見た金閣寺は想像していたよりも美しい存在ではなかったため、溝口は絶望します。

一度は絶望した溝口でしたが、次第に金閣寺に美しさを見出します。契機は第二次世界大戦です。当時はまだ戦争(第二次世界大戦)が続いており、爆撃によって金閣寺が消失される可能性も考えられました。

「室町時代から数百年間も留まり続けている建築物が一瞬にして破壊される可能性がある」

溝口は金閣寺が永遠にその姿をを保ち続けると思い込んでいました。

しかし自分と同じく、金閣寺も永遠ではないことに溝口は気づき、再び金閣寺に対して執着心を持つようになります。

『金閣寺』感想/まとめ

ラストは圧巻だと思うと同時に、疑問点も浮かんできました。

圧巻だと思ったのは、金閣寺の最上階の扉が開かなかった瞬間です。

まるで、金閣寺自体に命があるかのように、金閣寺は溝口を金閣寺の中に入れようとしません。金閣寺と1人の人間の間に絶対に超えられない壁があることを読者に感じさせます。

疑問を持ったのはラストで溝口が生きようと思った点にあります。

金閣寺から締め出されたような形になった溝口。

今まで、コンプレックスを抱えながら自殺まで考えていた男が、どうして金閣寺から締め出された後に「生きよう」と思うのか。その契機は一体なんだったのか。

個人的には疑問でした。

『仮面の告白』よりも『金閣寺』の方が内容が難しいように思えます。

総評

・オススメ度★★★★☆

・読みやすさ★★★☆☆

1回ぐらい読んだだけではあまり理解できていないと思うので、また再読したいと思います。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

金閣寺

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