プラトンの正義論とは?岩波文庫の『国家(上)』をレビュー!


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回は、こちらの本のレビューをしたいと思います。

プラトン『国家(上)』岩波文庫

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プラトン『国家』の下巻についてはこちらの記事で紹介しています。合わせてお読みください。

それでは早速、プラトンの『国家(上)』のあらすじや感想を紹介します。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

プラトンが考える「正義」と「国家」とは?

まずは、『国家』を読んでいない人向けに本の内容を一部紹介します。

『国家』とは?

プラトンの『国家』は、「ソクラテス達の国家に関する議論をまとめた本」です。

西洋哲学の創始者であるソクラテスには、著書がなく、その思想は弟子のプラトンの著作によって知ることができます。

プラトンの『国家』ではソクラテスの代名詞でもある「問答法」が議論を進める前提として、使用しています。

問答法とは、対話をすることでその対話の中から矛盾点を見つけ出し、相手に無知を自覚させ、それを繰り返すことによって心理に導くというような方法です。

プラトンは『国家』で以下のように述べています。

各人は国における様々な仕事のうちで、その人の生まれつきが本来それに最も適しているような仕事を、1人が一つづつ行わなければならないということになる。(p297~298)

つまりプラトンは、ある階級だけが裕福で幸せになるような国家ではなく、国全体としてできるだけ幸福となるような国家にこそ、正義があると述べています。

人間にはそれぞれ生まれつきの素質があり、適している職業があります。

この生まれつきの素質に基づかないと、素質のない人は素質のある人よりもその職業を身につけるまでに時間と労力を費やしてしまうことになり、それは国全体から見ても好ましくないとプラトンは考えていました。

プラトンは正義の定義について、自分自身を支配し、秩序づけ、魂を保全しているような状態のことを指しています。

またそのような正義がある国を実現するには、政治権力と哲学的精神を兼ね備えた存在、すなわち哲学者が国の頂点に立つことが理想であると主張し、上巻を終えています。

プラトンの思想は〇〇に似ている?

プラトンの国家を読んでいるときに「プラトンの思想ってこの人と少し似ている」と感じました。

その人物とは「アドルフ・ヒトラー」です。まあ、正確に言えばプラトンがヒトラーに似ているのではなく、ヒトラーがプラトンに似ているのですが。

プラトンは「個々人の素質に合わせた職業選択をするのが国家として望ましい」と述べており、これはヒトラーの思想とも類似しています。

また、「優秀な人」は優秀な人との間に子供を作るべきであり、劣等な人とは子供を作るべきではないというプラトンの思想も非常にヒトラーの思想と類似しています。

優勢の人はどんどん子供を作るべきであるという考えは2人に共通している点なのではないでしょうか。

また、プラトンとヒトラーの最も類似していると思ったのは、プラトンが「ギリシア人」という共同体を非常に重視している点です。

プラトンは以下のように述べています。

ぼくの見るところでは、<戦争>と<内乱>はちょうどそれが二つの名前で呼ばれているとおりに、事柄としても二つの別のものであって、ある二つのものにおける二種類の不和に対応している。ぼくが二つのものと言うのは、身内のもの・同族のものがその一つ、そしてもう一つは、よそのもの・異民族のもののことだ。こうして、身内のものにおける敵対関係には、<内乱>という名がつけられているし、よそのもののおける敵対関係には、<戦争>というながつけられている(p395)

ここでキーワード「民族」の登場です。

プラトンはギリシア人に対しては敵として退治するのではなく、善意をもって正すべきであると主張しているのに対し、他の民族に対しては断固とした対応を取るべきであると述べているのです。

また、プラトンは『国家』の中で、国として1つである限界まではその土地を増大させても構わないというような発言をしています。

これを実行したのがヒトラーということになり、両者の思想には共通している部分があるのではないのでしょうか。

プラトン哲学は初心者にもおすすめ!

プラトンの『国家』は自分のような哲学初心者の方でも比較的容易に読むことができます。

哲学につまずいてしまう原因としてよく挙げられるのが、「哲学用語が理解できない」というものです。

しかし、ギリシア哲学から哲学は始まっているため、ギリシア哲学自体には、その後使用されるような難解な用語はほとんど出てこないのです。

なので、初心者の方にもおすすめです。

総評

・オススメ度★★★★★

・読みやすさ★★★★☆

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

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