哲学の基礎はどこに?岩田靖夫 『ヨーロッパ思想入門』の要約


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『ヨーロッパ思想入門』岩田靖夫 岩波ジュニア新書

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著者である岩田靖夫は日本の哲学者です。

2003年に文化功労者に認定されています。これは文化の発達に貢献した人に対して与えられる称号で、宮崎駿監督も受賞しています。

それでは早速、岩田靖夫『ヨーロッパ思想入門』の要約と感想を紹介します。

『ヨーロッパ思想入門』あらすじ/要約

本書『ヨーロッパ思想入門』は、「ヨーロッパの哲学がどのような経緯で誕生したのかについて書かれた本」です。

カント、デカルト、キルケゴール、ハイデガー。

ヨーロッパには、後の時代にまでその名を轟かせる哲学者が大勢います。

ヨーロッパでは哲学が普及している一方で、日本はヨーロッパほど哲学が盛んではありません。

この違いはどこから生じているのでしょうか。

著者である岩田靖夫によると、ヨーロッパの哲学は主に2つのものを基礎にして存在していると言います。

「ギリシアの思想」「ヘブライの信仰」です。

どうしてその2つがヨーロッパの哲学の基礎を成しているのか。

本書『ヨーロッパ思想入門』は、ヨーロッパ哲学の根幹をなす2つの思想について解説をしています。

ギリシアの思想

ここでは、ヨーロッパ哲学の基礎を成している2つの思想について簡単に紹介していきます。

まずはじめはギリシアの思想についてです。

詳細の内容については本書『ヨーロッパ思想入門』を実際に読んでみてください。

ギリシアの思想として重要なのが「理性主義」です。すなわち、混沌ではなく秩序を中心としてこの世界は成り立っていると考えていたのです。

ギリシア人が理性を重視していたことがよく理解できるエピソードとして、著者である岩田靖夫は「コスモス」という言葉を取り上げています。

コスモス(=cosmos)は訳すと「宇宙」という意味になります。

しかし一方で、同じ単語であるにもかかわらず、コスモスには「秩序」という意味もあります。

これは、ギリシア人が宇宙と秩序を同じような意味で捉えていたことを示しています。

つまりギリシア人にとっては、宇宙=秩序づけられたものだったのです。

世界は秩序によって保たれているというこの考え方によって、哲学は誕生したのです。

ヘブライの信仰

それでは、次にヘブライの信仰についても紹介します。

ヘブライの信仰で重要なのが「」です。

愛は与える対象を必要とします。他者がいなければ愛を与えることはできません。

神が愛そのものであり、神も愛を与える存在が必要となりました。

そこで神は自分の似姿として人間を創り出しました。神の似姿として誕生した人間も、愛は切っても切れない関係にあります。

愛とは赦すことです。

両親が何者かによって殺害された時、復讐を考えるのではなく、一方的に赦すこと。

利己的な考えを排除して、徹底的に赦し、苦しみを背負ってあげること。

そのような精神がヨーロッパの思想の根幹を成しています。

『ヨーロッパ思想入門』感想/まとめ

本書『ヨーロッパ思想入門』は3つの章によって構成されています。

・第1部 ギリシアの思想

・第2部 ヘブライの信仰

・第3部 ヨーロッパ哲学のあゆみ

本書のメインテーマは、やはり「ヨーロッパ哲学の元になった思想は何か」ということになるはずです。

そうした意味では、第1部と第2部の内容は新鮮で興味深いものがありました。

第1部と第2部では、ヨーロッパの哲学をの基礎を成した2つの思想について分量が割かれています。

「どうしてヨーロッパで哲学が盛んになったのか」という視点であまり哲学を捉えたことがなかったので、本書『ヨーロッパ思想入門』を読む意味があったと思います。

一方で、第3部はヨーロッパの哲学者を何人か紹介するというもので、あまり目新しいものはなかった印象です。

哲学者たちのぞれぞれの思想の概略を知りたいという方にとっては、扱っている哲学者も多くないので。あまりおすすめはできません。

そのような目的であれば、『本当にわかる哲学』の方がカラーや図式化されてわかりやすく、分量もあるので、おすすめです。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

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