大審問官って何?『カラマーゾフの兄弟』のあらすじが5分でわかる

『カラマーゾフの兄弟』

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介したいと思います。

『カラマーゾフの兄弟』

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『カラマーゾフの兄弟<下>』

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『カラマーゾフの兄弟』は文学の最高傑作と名高い作品で、「五大長編」の一つです。東大教授がオススメしたい小説に選ばれており、モームの『世界の十大小説』にも登場しています。

そんなドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』のあらすじや感想を紹介します。

『カラマーゾフの兄弟』を読む上で抑えておきたい「大審問官」についても紹介します。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

『カラマーゾフの兄弟』の要約/あらすじ

『カラマーゾフの兄弟』とは?

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』は「父親殺しの犯人を巡る物語」です。

<登場人物>

*主要な人物だけ記載。()は別名です。登場する人物が多く、人物の名前の呼称が変化します。

・フョードル・カラマーゾフ
・ドミートリィ・フョードロヴィッチ・カラマーゾフ(ミーチャ/ミーチェニカ/ミーチカ)
・イワン・フョードロヴィッチ・カラマーゾフ(ワーニャ/ワーネチカ)
・アレクセイ・フョードロヴィッチ・カラマーゾフ(アリョーシャ/アリョーシェチカ/リューシェチカ)
・スメルジャコフ(パーヴェル・フョードロウィチ)
・アグラフェーナ・フィリポヴナ(グルーシェニカ)
・カテリーナ・イワーノブナ(カーチャ/カチェーニカ)

強欲な地主フョードル・カラマーゾフには3人の息子がいました。長男のドミートリィ、次男のイワン、そして3男のアレクセイです。

フョードルとドミートリィの2人は、遺産と美女グルーシェニカの件で不仲になっていました。ドミートリィにはカテリーナという婚約者がいて、ドミートリィはカテリーナに3000ルーブルという大金を借りています。

そんな中、地主であるフョードルが何者かに殺害されてしまいます。そして部屋にあった3000ルーブルという大金もフョードルの家から無くなります。

最も父親と関係が悪かったドミートリィは、殺人及び強盗の容疑をかけられます。ドミートリィに対して不利な証拠がいくつも浮上し、ドミートリィは裁判にかけられます。

しかし実際にフョードルを殺したのは、なんと召使いのスメルジャコフでした。スメルジャコフの話を聞いたイワンは、ドミートリィの無実を訴えますが、聞く耳を持たれません。

無実のドミートリィはシベリア送りになります。

大審問官

『カラマーゾフの兄弟』の中でも最も有名な箇所といえば、大審問官という叙事詩。

大審問官の章で、無神論者の次男イワンは、信仰深いアリョーシャに問いかけをします。

「神は本当に存在するのか?」

「もし神が存在するとするならば、どうしてこの世界に悪は存在しているのか?」

そして、大審問官というイワンが創作した叙事詩をアリョーシャに対して語り始めます。

以下が大審問官の内容です。

16世紀のセヴィリヤでは、カトリック教会の大審問官が数多くの異端者を殺していました。

そんな中キリストが再び降臨します。キリストは民衆を生き返らせるなど、数々の奇跡を起こします。それを見た大審問官はキリストを捕らえ、牢に入れます。

そして、大審問官はキリストに対して、かつて悪魔とキリストの間で交わされたと言われる3つの問いを持ち出します。

「お前が神の子ならば、その石ころをパンに変えてみるがいい」

という第1の質問に対して、キリストは

「人はパンのみにて生きるにあらず。神の言葉によって生きる」

と答えます。

「その崖から飛び降りてみよ。おまえが神の子ならば地面にたたきつけられることはないだろう」

という第2の質問に対しては、

「神を試すべからず」

と答えます。

「もしおまえが、わたしにひれ伏すならば、すべての王国と栄華を与えよう」

という第3の質問に対しては

「サタンよ、立ち去れ」

と答えます。

大審問官はこれらのキリストの回答を批難します。

人間は「パン」と「奇跡」と「権威」を無視することは絶対にできず、自由を得るよりかは、それらを欲するのだと大審問官は語りかけます。

「自由」を重視したキリストと「パン(=生きる上で必要な物質の例え)」を重視した大審問官。

キリストの主張がもっともである一方で、私たちはパンがなければ生きていく事はできません。

著者であるドストエフスキー自身もキリスト教を信仰していました。一方でパンが生きる上で必要不可欠で、その葛藤に悩まされたと言われています。

『カラマーゾフの兄弟』終わりに/感想

主人公はアレクセイという設定でしたが、主人公はドミートリイであるように感じました。

あらすじとしても「誰がフョードルを殺したのか」がテーマの中心なので、ドミートリイが主人公のような気がします。

アレクセイも重要人物であることには間違いないのですが、3兄弟の中では、

ドミートリイ>イワン>アレクセイ

の順で主人公なのではないかと思いました。アレクセイはこの三兄弟の中で最も人間性が優れていますが、物語の中心にはいないような気がします。

スメルジャコフとイワンのやり取りの場面には戦慄しました。他のミステリー小説とは一線を画するような恐ろしさが『カラマーゾフの兄弟』にはあります。

内容は父親殺しの物語で、一見するとよくあるテーマです。しかし、人間の心理を的確に描き出すドストエフスキーの技術によって、ありがちなテーマでありながらも重厚な作品に仕上げています。

人々の心理描写に関しては、『罪と罰』の方が犯罪を犯した人の心理描写がより的確かつ細部にわたって描写されていると思いました。

『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』の2作を読んで、「ここまで人間の心理描写が上手い人は他にいない」と思いました。「罪」を犯した人の不安定さや脆さを捉える才能は流石です。

『カラマーゾフの兄弟』は上中下巻で1800ページを超える長編小説ですので、読むのに根気がいるかもしれません。

内容はそれほど難しくはありませんが、キリスト教に関するテーマなどはやはり馴染みがないと難しく感じるはずです。

総評

・オススメ度★★★★★

・読みやすさ★★★★☆

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『カラマーゾフの兄弟』

『カラマーゾフの兄弟(上)』ドストエフスキー 新潮文庫

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『カラマーゾフの兄弟(中)』ドストエフスキー 新潮文庫

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"『カラマーゾフの兄弟<下

『カラマーゾフの兄弟(下)』 ドストエフスキー 新潮文庫

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『罪と罰(上)』 ドストエフスキー 新潮文庫

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『罪と罰(下)』 ドストエフスキー 新潮文庫

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