4人の男女がもたらす恋の行方は?ドストエフスキー『白痴』あらすじ

ドストエフスキー

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

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『白痴』はドストエフスキーの「五大長編」の一冊。ドストエフスキーの代表的作品です。

他の五大長編については以下の記事で紹介しています。

それでは早速、ドストエフスキー『白痴』あらすじや感想について紹介していきます。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

『白痴』あらすじ/要約

『白痴』とは?

ドストエフスキーの『白痴』は「4人の男女による恋愛物語」です。

ムイシュキン公爵は、てんかんを発症したため、スイスで療養生活をしていました。『白痴』はムイシュキンが療養生活からロシアの地に戻ってくる場面から始まります。

ムイシュキンは遠縁のエパンチン将軍家を訪ね、そこでアグラーヤという女性に出会います。アグラーヤとムイシュキンは互いに惹かれていきます。一方、将軍家でムイシュキンはナスターシャという女性の写真を目にし、この女性にも同時に惹かれていきます。

ナスターシャが主催した夜会でムイシュキンはナスターシャに初めて出会います。

そこに、父の巨額の遺産を手にしたロゴージンが現れます。ロゴージンもナスターシャに対して恋心を抱いており、10万ルーブルを提示して求婚します。

ナスターシャは、ロゴージンを選びます。ムイシュキンを尊敬していたナスターシャは、自分がムイシュキンには釣り合わないと考え、ロゴージンを選びます。ムイシュキンは、アグラーヤと関係を深めていきます。

ムイシュキンと結ばれることを自ら絶ったナスターシャですが、アグラーヤとムイシュキンが良好な関係になると嫉妬の念を抱きます。

ムイシュキンはアグラーヤとナスターシャのどちらを選ぶか迫られます。ムイシュキンはナスターシャを選びます。

ロゴージンは、一度は自分を選んだにもかかわらず、最終的にムイシュキンを選んだナスターシャを殺害してしまいます。

愛の表現

ナスターシャをめぐったムイシュキンとロゴージンの恋の戦いが、本書『白痴』の中でも中心的なテーマになっています。

3人の三角関係はもちろん注目するに値します。しかし、3人による愛の表現方法についても注目しながら読み進めていくと、本書『白痴』はより面白く読めるに違いありません。

ムイシュキンとロゴージンはナスターシャのことを愛しているものの、愛を表現する方法を知りません。

お互いに対する嫉妬や焦り、そしてナスターシャに対する独占欲。そんな様々な感情が、歪んだ愛の形となって表出されていきます。

この辺りはドストエフスキーの『白夜』とも似ているような気がします。

愛しているあまり、不必要なことまで必死で喋ってしまう。愛していることを相手に訴えようとすればするほど、相手はその気持ちに応えようとはしなくなる。

愛を表現することの難しさ、それがドストエフスキーの手によって『白痴』では忠実に書かれています。

ムイシュキン侯爵の人間性

ムイシュキン公爵は、アグラーヤとナスターシャのどちらと結ばれるか決断を迫られます。

結果として、ムイシュキンはアグラーヤではなく、ナスターシャを選んでいます。どうしてアグラーヤではなく、ナスターシャを選んだのか。その理由は、ムイシュキンの人間性にありました。

ムイシュキンはてんかん持ちの人間として描かれていますが、同時に一種の聖人のような描写もあります。ムイシュキンは自己犠牲を払ってまでも不幸な人を救いたいと考えていました。

最初はムイシュキンのことをてんかん持ちとして認識していなかったナスターシャも、次第にムイシュキンの人間性に惹かれていきます。

ムイシュキンは利己的な人間ではなく、利他的な人間でした。

ムイシュキンが恋愛対象としたのはアグラーヤですが、身を呈してまで救いたいと考えたのはナスターシャであり、そのためムイシュキンは最終的にナスターシャを選んだのです。

『白痴』感想/まとめ

「五大長編」の一冊と名高かったため期待値も高かったのですが、期待値は越えませんでした。

『罪と罰』や『カラマーゾフの兄弟』のように何か重大な事件が起こるわけではありません。

特別重大な事件が起きるわけではないので、物語にメリハリがないというか緊張感はあまり感じられません。

また、ナスターシャの行動にも疑問を持ちました。

ナスターシャはムイシュキン公爵に好感を持つこともあればロゴージンに好感を抱くこともあります。

どのような心理の変化があってそのような行動をとるのかが詳しく書かれていないので、物語に置いていかれたかのような感覚に陥ります。

多くの作品で、登場人物の内面を浮き彫りにしてきたドストエフスキーが書いたのか疑問に思ってしまいました。

『白痴』は恋愛小説ですが、ドストエフスキーの恋愛小説であれば、『白夜』の方が魅力的でした。まだ魅力に気がついていないだけかもしれませんが。

総評

・オススメ度★★★☆☆

・読みやすさ★★★☆☆

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

ドストエフスキー

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