交わる二つの物語!ドフトエフスキー『虐げられた人びと』あらすじ

虐げられた人びと

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

虐げられた人びと

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それではドストエフスキー『虐げられた人びと』のあらすじと感想を紹介していきます。

『虐げられた人びと』あらすじ/要約

先に『虐げられた人びと』に登場する主要な人物を紹介します。

ワーニャ・・・語り手。イフメーネフの養子

イフメーネフ・・・ナターシャの父親。農場を経営している

ナターシャ・・・イフメーネフの娘。アリョーシャと恋に落ちる

アリョーシャ・・・ワルコフスキー公爵の息子

ワルコフスキー公爵・・・アリョーシャの父親

ネリー・・・スミス老人の孫

本書『虐げられた人びと』は主に二つのストーリーから構成されています。

一つは、ナターシャとアリョーシャの恋愛を中心にした物語です。そしてもう一つが、スミスとネリーを中心にした物語です。

この二つの物語が語り手であるワーニャによって交わるという内容になっています。

物語は語り手であるワーニャがスミス老人と出会う場面から始まります。ワーニャは他人であるスミス老人の最期に偶然立ち会います。

ワーニャはスミス老人に対して興味を持ち、スミス老人が住んでいたアパートを借りることにします。

そんなある日、ワーニャの家に1人の少女が訪ねてきます。少女の名前はネリーでした。

虐げる者と虐げられる者

本書『虐げられた人びと』はタイトル通り、虐げられている側の視点が多く描かれています。

イフメーネフも虐げられている側ですし、少女であるネリーも多くの人から虐げられています。多くの人物は虐げる側でなく、虐げられる側です。

虐げられている側の人々は自分たちが虐げられているにもかかわらず、優しい精神を持ち合わせており、虐げられている環境下でも健気に生きようとします。

虐げられる者が存在している以上、それらの人々を虐げている人物も一定数存在します。

虐げれる側の主要な人物としてはやはりワルコフスキー公爵が挙げられるでしょう。ワルコフスキー公爵は自己中心的な人物として描かれています。

そんなワルコフスキー公爵だけが、お金や女性など、自分が欲するものを全て得ています。

本書『虐げられた人びと』を読むと、虐げる側と虐げられている側の差異をまざまざと見せつけられます。

『虐げられた人びと』感想/まとめ

ドストエフスキーの中で最も作品はなんですか?と聞かれた際、本書『虐げられた人びと』を取り上げる人は少ないかもしれません。

やはりドストエフスキーの数ある傑作には及ばないという印象を受けました。

『罪と罰』での圧倒的な心理描写や『カラマーゾフの兄弟』での背筋の凍るようなシーンと比較してしまうとどうしても魅力には欠けていると思います。

また、登場人物が多く人物関係が複雑になりがちなので、読む際にはメモするなどの工夫をしておく必要があると感じました。

ロシア文学は登場人物の名前が非常にややこしい。せめて作品中は統一した名前で常に読んでほしいと思うのは私だけでしょうか。

二つの物語がワーニャやワルコフスキー公爵を通して繋がっていくという大筋は最初から意識すると読みやすくなるかと思います。

ラストの部分はやはり考えさせられるものがあります。

常に虐げる側の存在であるワルコフスキー公爵は、その後どのような人生を歩むことになるのか。その人生を考えるのも一興かなと思います。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

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