妻を寝取られた男の無念!ドストエフスキー『永遠の夫』あらすじ


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらのロシア文学を読了したので、紹介していきます。

『永遠の夫』ドストエフスキー 新潮文庫

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本書『永遠の夫』は『白痴』と『悪霊』の間に書きあげた一冊です。

ドストエフスキーはその当時も賭博の癖が抜ききれず、貧困状態に陥っていたといわれています。そのような状況下の中、書きあげられたのが本書『永遠の夫』です。

それでは早速、ドストエフスキーの『永遠の夫』あらすじと感想を紹介していきます。

『永遠の夫』あらすじ/要約

「永遠の夫」であるトルソーツキーは、良い人ではあるものの、魅力的ではない人物です。

そんなトルソーツキーは妻であるナターリヤに浮気されてしまいます。

ナターリヤは愛人であるヴェリチャーニノフと不貞を働いてしまい、リーザという子どもをもうけてしまいます。

そして、ナターリヤは愛人との間にできた子どもであることを夫であるトルソーツキーに隠し続けます。

トルソーツキーは、ヴェリチャーニノフとナターリヤの子どもであるリーザを自分の子どものように育てます。

とある深夜、トルソーツキーはヴェリチャーニノフの家を訪問します。

そこで妻であるナターリヤの死をヴェリチャーニノフに告げるのでした。

夫であることに拘り続ける男性

トルソーツキーは自分が妻ナターリヤの夫であることにしか自らの存在意義を見出せない人物でした。

そのため、自らのアイデンティティーを喪失しないために、彼は苦心します。

妻であるナターリヤは夫であるトルソーツキーがいるにもかかわらず、数多くの愛人を持つようになり、関係を深めていくようになります。

本来であれば、トルソーツキーがナターリヤと離婚すれば解決したのかもしれません。しかしトルソーツキーは妻の浮気に気がつくことさえできません。

そしてトルソーツキーは上流婦人であり地位も比較的高いナターリヤに依存しなければいけなかったのです。

このような従属関係にも近いような関係性は谷崎純一郎の『痴人の愛』にも似ているように思えます。

『永遠の夫』感想/まとめ

『永遠の夫』というタイトルから、ドストエフスキーには珍しくポジティブな要素が多い小説なのかと、読む前には思っていました。

しかし内容はそのようなポジティブ要素が少なく、夫であるトルソーツキーの苦悩や怒りが多く表出されていた小説でした。

夫という立場は一応得られているものの、実際は形骸してしまっており、多くの愛人を作られてしまっていたトルソーツキー。

永遠の夫であるトルソーツキーは、ただただ夫という立場にすがるしかありません。その状況に同情読者も少なくないはずです。

夫であることに拘り続けたトルソーツキーの心情は理解できませんが、他人に妻を寝取られる男の無念さは文字を通して伝わってくるものがありました。

『白痴』と『悪霊』の間に執筆された『永遠の夫』ですが、そこまで長くない小説でありながらドストエフスキーさが色々な箇所で伺えるような一冊でした。

気になった方はぜひ読んで見てはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

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