ドストエフスキーの2作目!『二重人格』(岩波文庫)のあらすじ

二重人格

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

二重人格

『二重人格』ドストエフスキー 岩波文庫

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ドストエフスキーの『二重人格』は、デビュー作である『貧しき人々』に続く2作目として出版された本です。

『二重人格』というタイトルではなく、『分身』というタイトルで紹介されていることもあるそうです。

それでは早速、ドストエフスキー『二重人格』のあらすじと感想を紹介していきます。

『二重人格』あらすじ/要約

主人公のヤーコフ・ペトロヴィッチ・ゴリャートキンは、九等官の役人として生活しています。

ゴリャートキンは非常に内向的な人物です。

人付き合いが苦手で、小心で、引っ込み思案。特別なスキルがあるわけでも、要領よく仕事をこなすわけでもありません。

社会に適応する能力は低いと言って差し支えないでしょう。

その割に、承認欲求は人一倍強く、常に他人からの評価を気にしているような人物です。

基本的に、能力は低いので、他人から仕事で評価されることはほとんどなく、昇進の機会などもありません。

それに対して、ゴリャートキンは不満を募らせていきます。

そんなゴリャートキンの前に、ある日ゴリャートキンの分身が登場します。

強烈な劣等感と自尊心

主人公であるゴリャートキンは強烈な劣等感を持った人物です。

ゴリャートキンは他人に対して強い劣等感を抱きながら生活しています。

実際はただ話しているだけなのに、人に悪口を言われているように思い込んでしまうこともあります。

そんなゴリャートキンですが、小心者であるにもかかわらず、自尊心も極端に強い人物でした。

ゴリャートキンは周りからの客観的な評価とはかけ離れた評価を自分自身に与えています。

小心者であるにもかかわらず、強烈な自尊心は持っている。

『地下室の手記』などドストエフスキーの小説に登場しがちな卑屈で自尊心が強い人物が本書『二重人格』でも登場します。

理想の自分

そんな卑屈で周囲の人々からも疎まれていたゴリャートキンでしたが、ある日、彼の前に自分自身の分身が登場します。

ゴリャートキンの分身は彼自身の理想とする姿そのものです。

ゴリャートキンは強烈な自尊心を心に秘めながら生活していました。

しかし、それは自分のアイディンティティーを喪失しないための処世術のようなものだったに違いありません。

本来であれば、周囲の人からも信用されるような人物になりたいし、仕事もそつなくこなせるような人間になりたい。

そして今の自分が理想の自分とはかけ離れていることにも気が付いていたのかもしれません。

「周囲からも認められるような人間になりたい」

そんなゴリャートキンの野望が自分自身の分身を生み出すことに繋がったのです。

『二重人格』感想/まとめ

物語前半は少し退屈な印象を受けました。

特に大きな出来事が起こるわけではないので、飽きてしまうかもしれません。

物語はゴリャートキンの分身が登場してから一気に面白くなります。

しかし、前半のゴリャートキンの性格を理解していないと対照的なゴリャートキンの分身の面白みがわからないはずです。

物語前半は冗長な気もしますが、読み飛ばすのは勿体無いです。

いわゆるドッペルゲンガーをテーマにした物語が、非現実的なだけで終始しやすいにもかかわらず、ドストエフスキーの『二重人格』はそうではありません。

ドストエフスキーの『二重人格』には奇妙なリアリティーが常に漂っています。

勿論、ドストエフスキーの他の長編小説に比べれば認知度も低く、自分自身の中でも評価はそれほど高くはありません。

しかしそれでもドストエフスキーらしさを実感できる本でした。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

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