ドストエフスキーのデビュー作!『貧しき人々』あらすじを簡単に紹介

貧しき人びと

こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

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本書『貧しき人々』はドストエフスキーのデビュー作です。ドストエフスキーという名前を世界に轟かせる契機となった本です。

1864年に出版された当時、ドストエフスキーは24歳だったそうです。

それでは早速、ドストエフスキーのデビュー作、『貧しき人々』のあらすじや感想を紹介していきます。

『貧しき人々』あらすじ/要約

本書『貧しき人々』は、貧しい2人の男女の日常生活が綴られている小説です。

小説の形式は、手紙文によって構成される書簡体小説と呼ばれる形式を取っています。

47歳で初老のマカール・ジェーヴシキンは下級官吏として生活していました。マカールの生活水準は最低に近いものでした。

彼の唯一の心の支えはワルワーラ・ドブロショロワ(通称ワーレンカ)です。

ワーレンカは17歳の少女です。生まれは比較的裕福でしたが、父親の破産が原因で生活は困難を極めていました。

2人は恋愛関係にあったのかはわかりませんが、家が近所で、近況を手紙で交わしていました。

マカールは自ら借金をしてまで、自分の唯一の支えであるワーレンカのことを支えます。

貧しい2人の関係はどうなっていくのか。

本書『貧しき人々』には、ロシア社会における貧しい男女のリアルな生活が書かれています。

貧しさが変えるもの

日常の生活に余裕は全くない貧しい生活。

そんな貧しい生活は、気づかないうちに、生活者の性格を歪めていきます。

お金がなく、生活にゆとりがない。

たったそれだけの事で、人は自尊心を失い、卑屈になり、人の目が異常に気になるようになります。

マカールもワーレンカもお金がなくなるにつれて次第に卑屈になっていってしまいます。

現在の日本に住む私たちでは、想像すらできないような貧困状態に陥ってしまった時。

そんな時にまず失われてしまうのは、人間としての名誉や矜恃、尊厳なのではないかと本書『貧しき人々』を読んで考えさせられます。

貧しさは人格さえ変えうるのです。

幸福とは何か

マカールとワーレンカは手紙を通して極限の貧困状態を慰め合います。

お互いの存在があったからこそ、2人は生き残ろうとする意志を持ち得たのでしょう。それほどお互いの精神的意味は大きかったはずです。

マカールはまさに身を削ってまで、ワーレンカを気遣います。

「ワーレンカさえ笑顔になってくれれば自分はそれでいい」

そんな風にマカールは考え、ワーレンカへ惜しみない献身をするようになります。

しかし、ワーレンカに経済的余裕が生じる代わりに、マカールが餓死してしまったら、ワーレンカはどのようなことを思うのでしょうか。

自分のために今まで支え合ってきてくれた人間が死んでしまったとしたら。

お金がある方が幸せなのか、それとも人との繋がりがある方が幸せなのか。

人間にとって幸福とは一体なんなのか。本書『貧しき人々』を読むと考えさせられます。

『貧しき人々』感想/まとめ

ドストエフスキーの鮮烈なデビューを飾った小説であり、かなり期待値も高かったのですが、内容は意外と普通でした。

マカールの行動には疑問の念を抱きました。

マカールは自分自身も貧しいにもかかわらず、ワーレンカに対して花やお菓子を送るという行為を繰り返しています。

確かに、唯一の心の支えであるワーレンカへの恋心が募るのは理解できます。

しかし、自分が極度の貧困状態にいる自覚が少し欠けているような気がしました。

また、お金を得る手段も基本的に借金することを考えている場面が多いです。

初老であっても、ワーレンカのように病弱というわけでもないので、働き口くらいは必死に探せば見つかるかもしれません。

全体的にマカールの行動自体が少し現実的でないような印象を抱きました。

また手紙の形式によって緊迫感をあまり感じることができなかったことも少し残念でした。

気になった方は読んでみてはいかがででしょうか。

それではまた〜。

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