カール・マルクス『賃労働と資本』(岩波文庫)の要約と感想


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『賃労働と資本』カール・マルクス 岩波文庫

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『資本論』でお馴染みのカール・マルクスが執筆した本です。

それでは早速カール・マルクス『賃労働と資本』の要約や感想を紹介していきます。

『賃労働と資本』あらすじ/要約

本書カール・マルクスの『賃労働と資本』 は「労働者と資本家、賃金の関係をマルクスが解説した本」です。

労働者は身を粉にすることで資本家から賃労働を受け取っています。

その構図は今の日本の社会でも全く同じです。

しかし、「労働者は身を粉にして働けば働くほど、その労働に対する賃金は少なくなってしまう」とカール・マルクスは考えました。

どうして一生懸命働けば働くほど賃金が少なくなってしまうのか。

労働者と資本家、そして賃金の関係性をわかりやすく解説したのが本書『賃労働と資本』です。

働いた時間≠労働に対する賃金

「自分の労働時間はそのまま労働に対する賃金(=給料)に反映されていない」

このようなことを言われたらどのように感じるでしょうか。

「そんなこと当たり前じゃないか」という方もいれば、「そんな訳無い」という方もいるかもしれません。

しかし、本書 『賃労働と資本』 を読んで考えれば、自分の労働の価値がそのまま完璧に給料に反映されることはあり得ないことに気がつきます。

簡単に言えば、得られる給料は自分の労働の価値よりも低いのです。

そのようなことが起こる背景には、資本家の存在があります。

当たり前のことですが、資本家にも給料が発生します。その給料は、労働者たちが生み出した価値から生まれています。

労働者たちは資本家の給料分も自分たちで補う必要があります。労働の価値がそのまま給料に反映されるわけではないのです。

また、基本的に資本家は儲けを多くしたい一方で損失は少なくしたいと考えます。

労働者の給料を下げれば、売上が同じでも自分に入ってくるお金が増えます。

労働者が自分の労働の価値を完全に反映した給料をもらうことはないのです。

労働者は働いても給料が上がらない?

本書 『賃労働と資本』の中で、カール・マルクスは次のようなことを述べています。

生産的資本が増大すればするほど、分業と機械の使用とがますます拡大する。分業と機械の使用とが拡大すればするほど、労働者の間の競争がますます拡大し、彼らの賃銀がますます縮小する(p84)

簡単に言えば、必死に働けば働くほど、その労働者の給料は少なくなるということです。

必死に働いて会社の売上に貢献すれば、一時期だけは良い給料をもらうことが出来るかもしれません。

しかし、資本家は基本的には労働者の給料など、外に出てしまうお金をなるべく避けたいと考えます。

仕事によっては人間にしかできないような仕事もあるかもしれません。しかし大抵の仕事は人間ではなく機械が行った方がより早く、より安く行えます。

比較的お金に余裕が生じた資本家は機械の導入を検討するなど、より出て行くお金を減らそうとします。

その結果、労働者はより安く生産性を上げることが求められ、労働者の中での競争が激しくなってしまうのだとカール・マルクスは考えています。

『賃労働と資本』感想/まとめ

『資本論』が非常に難解であることから、本書『賃労働と資本』も難解な本だと思っていました。

しかし『賃労働と資本』を実際に読んでみると、さほど苦労することなく読み進めることができました。

使われている用語なども平易なものが多く、自分のような経済学に詳しくない人でも苦労せずに読めるかと思います。

『資本論』を読んで挫折した方や『資本論』よりも簡単なマルクスの著書を読みたいという方にはおすすめできる1冊です。

分量も100ページほどとなっているので、マルクス初心者の方にも読みやすいはずです。

また内容も現代に通じる内容で、読む価値は非常に高いはずです。

自分の目に見えていない部分で搾取が行われていることに本書を読んで気付かされます。

マルクスが生きていた時代よりもテクノロジーが発展し、人間に代わってロボットが仕事をする可能性もある。それが今の社会です。

そんな社会で搾取されないように生きるためにはどうすればいいのか。『賃労働と資本』を読めば考えずにはいられなくなるでしょう。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『賃労働と資本』カール・マルクス 岩波文庫

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