ユダヤ人迫害の理由とは?ヒトラーの『我が闘争(下)』をレビュー


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回は、こちらの本を紹介していきたいと思います。

『我が闘争(下)』 アドルフヒトラー 角川文庫

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上巻の方の記事をまだ見ていない方は、上巻の方から読んでいただけると内容がつかみやすいと思います。

それでは早速、ヒトラーの『我が闘争』のあらすじや感想を紹介します。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

ヒトラーの政治思想とはどのようなものか?

『我が闘争』とは?

ヒトラーの『我が闘争』は、「自身の人生や考え方についてヒトラーが語っている本」です。

この『我が闘争』では、上下巻でヒトラーの生い立ちや国家社会主義ドイツ労働者党に入った理由、さらにはユダヤ人迫害の理由などについて記載されています。

この本はヒトラー自身が綴ったものを翻訳しているため、ヒトラーの偏見や主観で語られています。ユダヤ人を迫害する理由など一部は全く共感できません。

しかし一方で、議会制度の問題点など、合理的な説明がされている場合もあり、私たちが考えさせられる説明もあります。

ヒトラーの政治思想を一言で表すなら「民族主義国家の設立」にあります。しかし、民族主義国家と言われても何を行っているのか全くわからないと思います。

民族主義国家とは民族という単位を基にして、民族自体の優位性を増進させる思想のことです。ヒトラーはドイツ民族の優位性を繰り返し述べることで、ドイツ民族を頂点とする世界を作り上げようとしたのです。

民族主義と国家主義の違いに関してですが、国家主義は文字通り国家を中心とする考えのことです。

民族主義では民族を保護するための国家という考え方をしているので、あくまで中心のテーマは民族や人種ですが、国家主義では国家自体が中心のテーマとなっているのです。

文化の創始者であるアーリア人種の血を最も純粋に受け継いでいるのがゲルマン民族、すなわちドイツ人であり、最も有能な血を持つドイツ人によって世界を統一するべきであるとヒトラーは考えました。

アーリア人種とは、インド・ヨーロッパ語族に属する諸語を使う民族全般の祖をなすと想定された民族のことです。ヒトラーによれば、人種によって優劣があり、より優れているものが統一すべきと言うことになります。

また、そのような国家の実現のためには、多数決による議会制度ではなく責任が個人に具体化されるような君主政体であるべきでだと主張しています。

『我が闘争』から考えるユダヤ人

ヒトラーが最も嫌悪している思想といえば、マルクシズムなのではないでしょうか。

マルクシズムとは、資本家を排除することで、労働者だけの世界を作るべきという考えのことです。マルクスはユダヤ教徒の家系であったため、ヒトラーはこの思想を徹底的に否定しています。

ヒトラーはユダヤ人を違う人種の中に溶け込んで、知らぬ間にその人種を分解してしまう酵素のような存在であると痛烈に批判しています。

ユダヤ人は長い間、他国の人種の中に溶け込んで生活し、自身がユダヤ人であることを隠して生きているとヒトラーは『我が闘争』のなかで述べています。

ヒトラーは、民族のつながりである「血」がユダヤ人の手によって汚され、民族の衰退が起きてしまっていると考えていました。血を重要視するヒトラーにとってユダヤ人は悪魔のような存在だったのです。

しかし、ユダヤ人の血は最も優れていると言っても過言ではないです。ユダヤ人の人口は世界のおよそ0.25%ほどと言われていますが、ノーベル賞の受賞はユダヤ人がおよそ20%を占めています。これほど優秀な民族は他にありません。

ドイツ人(=ゲルマン民族)が最もアーリア人種の血を純粋に受け継いでいるかどうかはわからないですし、ゲルマン民族が最も優れているかはかなり疑問に思います。

ヒトラーが考える理想の職業の就き方とは?

ヒトラーの考えによると、国民は民族の保存にために生きていく必要があり、共同体のために自我を殺したり、命を捧げることは素晴らしいということになります。

また、能力や素質など、国民の適正に合わせた職業選択が行われました。そのため、もし自分が弁護士になりたくても、警察官にならざるを得ないようなケースが出ます。ヒトラーの理想とする世界観では、全てが適性で管理されてしまいます。

今もし、ヒトラーが現代にいたら、以下のような世界になったのではないかと私は思います。すなわち、遺伝子レベルで全ての子供の能力を見極め、序列化し、それぞれの適正にあった職業に就かせるような世界です。

障がいを持って生まれた子供や、能力がない子供の人権は蔑ろになるどころか、命を授けられることすらないというような世界が実現する可能性もあったということです。

『我が闘争』終わりに/感想

『我が闘争』でヒトラーが語っている内容は偏ったものが多いですが、中には現代に生きる私たちが考えるべき内容も多く詰まっています。

ヒトラーの極端な政治思想を知ることで、自分が持っていた思考の幅を広げることができました。

個人的には、第二次世界大戦中に関しても記述が欲しかったなあとは思います。

また、最後に拳銃自殺をした時の心理なども知りたかったと思いました。第二次世界大戦中に、ナチ党の総帥が本を書いているような余裕はなかったのかもしれませんが。

総評

・オススメ度★★★★★

・読みやすさ★★★★★

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『我が闘争(下)』 アドルフヒトラー 角川文庫

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