こんにちはshun(@bookstyle_book)です!
今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『犯罪と刑罰』ベッカリーア 岩波文庫
ベッカリーアの『犯罪と刑罰』は近代ヨーロッパ刑法思想の礎となった本だと考えられています。
『犯罪と刑罰』あらすじ/要約
本書『犯罪と刑罰』は「各々の犯罪に対する刑罰に対する決め方について記された」本です。
ベッカリーアの主張の一つとして「罪刑法定主義」があります。
罪刑法定主義とは、簡単に言えば、犯罪に対する刑罰を予め決めておく制度のことです。
犯してしまった犯罪に見合う刑罰の設定の仕方が本書には記載されています。
また、死刑制度の廃止についてや犯罪防止の方法についても見解が述べられています。
犯罪を予防するために
ニュースには毎日新しい犯罪の情報が報道されています。
比較的治安が保たれているはずの日本でも、犯罪はいまだに存在します。
どうすれば犯罪は減少するのか。
法学者のベッカリーアは本書『犯罪と刑罰』でこのように述べています。
犯罪を予防する最良のクツワは、刑罰の厳しさではなく、刑罰の確実さである。(p114)
犯人に対して一切の情を持たず、言わば機械的に刑罰を実行することによって刑を執行する。
刑罰を厳しくするよりも大きな恐怖心を与えることができ、犯罪が減少するとベッカリーアは考えています。
どんなに軽い罪だとしても刑を免除するのではなく、厳罰に対処することによって犯罪は減少するのです。
自殺について
本書『犯罪と刑罰』では、 「自殺の是非」についてもベッカリーアの見解が示されています。
ベッカリーアは、自殺は国外逃亡よりは害が少ないと考えています。
自殺すれば、その財産は国外に持ち出されることはありません。
自殺をしてもその肉体以外は国にとどまり続けるのです。
しかし、一方で国内逃亡は逃亡元の国からしたら迷惑な行為です。
なぜならその国で稼いだ財産を国外に持って行ってしまうからです。
逃亡先にとっては財産を持ち込んでもらうことにより豊かになりますが、逃亡元にはメリットがありません。
また、国を成り立たせている人が移動してしまうことによって国力が減少してしまいます。
『犯罪と刑罰』感想/まとめ
現代の私たちにとってはありふれた内容も多い本書『犯罪と刑罰』。
しかし、中には今の時代でも議論されているテーマも存在します。
「死刑は有害あって益がない」
死刑について反対意見を持っていたベッカリーア。
今からおよそ250年以上も昔の著作が、今でも通用することに驚かされます。
それほどベッカリーアは将来を見通していたのか。
それとも現代に生きる私たちが成長していないのか。
自殺についての記載が特に興味深かったです。
自殺と国外逃亡を比較するというアイデアはあまり馴染みがなかったので興味深く読めました。
気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
それではまた〜。
<記事で触れた書籍一覧>

『犯罪と刑罰』ベッカリーア 岩波文庫