陸奥宗光が書いた外交録!『蹇蹇録』(岩波文庫)のあらすじ・感想


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『蹇蹇録』陸奥宗光 岩波文庫

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日本史を勉強したことがある方にはお馴染みの『蹇蹇録』です。

『蹇蹇録』あらすじ/要約

本書『蹇蹇録』は「外交官陸奥宗光が書いた外交録」です。

非常に頭がキレる人物であったことから「カミソリ大臣」の呼び名を持つ陸奥。

外交官だった陸奥宗光が東学党の乱~三国干渉までを書いた外交録になっています。

日清戦争というめまぐるしい時期に書かれた本書。

外交官として陸奥宗光が列強や清、そして日本をどのように見ていたのか。

本書『蹇蹇録』を読めば理解することができます。

世論の圧力

本書『蹇蹇録』を読むと、戦争を引き起こすのは軍部だけではないことがわかります。

朝鮮で東学党の乱という反乱が起きます。

東学党の乱に鎮圧に向かった日本軍。

日本軍は天津条約という条約を清と結んでいたため、朝鮮に出兵しました。

日本軍の近代化された武器の前に敗退を余儀なくされます。

しかし、日本国内は清と戦争をすることに意欲的でした。

もしこのまま日本へ撤退したら、日本軍が得る物は何もありません。

日本から軍隊を率いて朝鮮で起こっている反乱を鎮めに行ったのです。

そこには多くの資金が使われていました。そしてそのお金は世論から出ています。

陸奥宗光は朝鮮公使だった大鳥圭介に断固たる処置をとるよう命じます。

三国干渉による悔しさ

世界の予想とは異なり、日清戦争は日本の勝利で終結します。

日本は清と下関条約を交わすことになります。

下関条約の中には遼東半島を日本に譲渡するという内容も含まれていました。

しかし、同じく清の占領を目論む欧米列強はこれに反対します。

仏・独・露の三カ国が日本に遼東半島の返還を求めました。

日本は他の欧米列強から積極的な支援を得られず、返還を余儀なくされます。

三国干渉の際、陸奥宗光はこのように述べています。

余は当時何人を以てこの局に当たらしむるもまた決して他策なかりしを信ぜんと欲す(p371)

これは誰がこの局面に出くわしても、他に策はないだろうというような意味です。

三国干渉による陸奥宗光の悔しさがにじみ出ている文章です。

『蹇蹇録』感想/まとめ

国際連合もなかった時代。

自分の国は自分で守る必要がありました。

欧米列強に占領されないよう、必死に近代化を図った日本。

最初は、必死に欧米列強から自分の国を守ろうとしただけのはずです。

しかし近代化で大きな力を持つと、それを侵略の道具として利用してしまう。

自分の国を守るための力はどれだけ必要なのか。それは誰にもわかりません。

そしてそのような不安が自国中心主義になり、他国を侵略することを良しとしてしまうのではないか。

そんなことを本書『蹇蹇録』を読みながら考えました。

今でも考えるべきテーマであるように思えます。

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

『蹇蹇録』陸奥宗光 岩波文庫

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