悲劇の連鎖!ソポクレース『アンティゴネー』あらすじが5分でわかる


こんにちはshun(@bookstyle_book)です!

今回はこちらの本を読了したので、紹介していきます。

『アンティゴネー』ソポクレース 岩波文庫

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『アンティゴネー』は『オイディプス王』の続編にあたる作品です。

ギリシア神話にまつわる本は他にもブログで取り扱っています。どの本も面白いので、ぜひ記事を読んでみてください。

それでは、ソポクレース『アンティゴネー』のあらすじや感想を紹介します。

以下、一部本のネタバレになる内容が含まれています。ご了承ください。

『アンティゴネー』あらすじ/要約

ソポクレースの『アンティゴネー』とは?

ソポクレースの『アンティゴネー』は、「兄を葬ろうとした妹の死から始まる悲劇」です。

オイディプス王とその妻イオカステの間には4人の子どもがいました。

・エテオクレス
・ポリュネイケス
・イスメーネー

・アンティゴネー

エテオクレスとポリュネイケスは男性で、イスメネとアンティゴネーは女性です。

テーバイでは、エテオクレスとポリュネイケスが一年交代で統治する約束になっていました。しかしエテオクレスは一年経ってもポリュケイネスに王の座を引き継ぎせず、ポリュケイネスを国から追い出します。

国から追い出されたポリュケイネスは、テーバイを侵略します。エテオクレスとポリュケイネスは刺しちがえてこの世を去ってしまいます。

イスカテオの弟であり、王になったクレオンは、テーバイを攻めたポリュケイネスの遺体を埋葬することを禁じますが、アンティゴネーは遺体を埋葬してしまいます。

クレオンはアンティゴネーを罰として岩の洞穴に閉じ込めます。その後クレオンはアンティゴネーを解放しようとしますが、彼女は洞穴の中で自殺していたのでした。

それを知ったアンティゴネーの婚約者であり、クレオンの息子であったハイモンは自殺。そしてクレオンの妻エウリュディケーも自ら命を絶つのでした。

クレオン王から見える「人間の矛盾」

オイディプス王の息子、エテオクレスとポリュネイケス。2人が戦死した後王の座に着いたのは、イスカテオの弟クレオンでした。

『アンティゴネー』の一つの注目ポイントは、このクレオンという人物です。クレオンは、罪を犯したアンティゴネーに対してこのようなことを述べています。

だが、よく覚えておけよ、頑な心がまえが、いちばん他から挫かれがちだと。また、硬く火に焼き上げられて、いちばん力のきつい鉄ほど、いちばんによくヒビが入ったりさけて折れたりするのが習いだ(p35)

しかし次第に、クレオン王自身もそのような存在である事に読者は気がつくでしょう。

クレオン王はアンティゴネーの罪に対して穏便な措置をとることを断固として拒否していました。それはまさに上の引用で彼が言ったような存在なのです。

自分を棚にあげて他人のこと否定するクレオンを、私たちは笑ってばかりもいられません。

各々の掲げた正義が生んだ悲劇

「人によって掲げる正義はこんなにも違う」

『アンティゴネー』の読者はその思わずにはいられないかもしれません。

クレオン王は後で結果を見れば、失敗をしてしまったと言えるでしょう。

しかし国の王としての立場を考えるならば、クレオンの言動が必ずしも間違っていたとは言えません。

事情はどうであれ、ポリュネイケスは自国を侵略してきた張本人。そんな人物を手厚く葬ったら、テーバイの国の民が不満を抱える可能性もあります。

アンティゴネーが持っていた正義、そしてクレオンが持っていた正義。

それぞれの正義がぶつかることによって、この悲劇は生まれたのです。

『アンティゴネー』感想/まとめ

「ギリシア神話に死角なし」

今回も安定の面白さでした。個人的にはアンティゴネーの死が、物語のピークに感じました。後に続く人々の死は少し軽い印象でした。

個人的には『オイディプス王』の方が面白かったかなと。伏線を丁寧に回収していきながら徐々に絶望していくその姿は圧巻という他に言葉が見つかりません。

ただ、ソポクレースの『アンティゴネー』も非常に面白い作品でした。今のところギリシア神話にはハズレがないですね。人間臭さが滲み出ていて、最高です。

総評

・オススメ度★★★★☆

・読みやすさ★★★★★

気になった方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

それではまた〜。

<記事で触れた書籍一覧>

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